浮遊する無名作家の浅慮

『バスプップー』に影響されるうちの子のバス好き。

『バスプップー』に影響されるうちの子のバス好き。



最近、うちの子が『バスプップー』という絵本をいたく気に入っているようです。

赤ちゃんがよろこぶしかけ絵本ということで、どうも絵本の中に様々な工夫があるようで。

一部を引っ張ることができたり、バスを走らせることができたりと、子供が遊べるようになっている様子。

そんなわけで、ある日家に帰ると、見慣れない本を息子が読んでおりました。

「『バスプップー』って言うと、『ぷっぷー』って言い返してくれるよ」

そんな奥さんの情報をもとに、私も言ってみることにしました。

「ばすぷっぷー」

「……」


嘘じゃん。


なんか無垢な瞳でガン見されたので、以降は黙っていることにしたのですが。

その後のある日、デパートのおもちゃ売り場に行くと、販売しているおもちゃで子供が遊べるスペースというのがあったんですよ。

昔からこういうのありますよね。子供の頃、家では買ってもらえないテレビゲームで遊んでいた事を思い出します。

「ヒアァァァァアァァァ!!」

奇声を上げながら目標に向かってタックルしていく息子を横目に、おもちゃ売り場をなんとなく物色する私。トミカとは懐かしい。

時代を超えて子供に愛され続けるおもちゃってすごいですよね。

「何か買ってあげる?」

ふと奥さんにそう言われたので、そうかあ、たまにはおもちゃでも買ってあげるか、などと思い立ち、ふと息子を見やると、息子も私を見てくれました。

おい、そこ。今、別の子が遊んでた所だから。

手招きすると、息子は「何?」と言わんばかりの目でこっちを見てきます。

「こっちおいでー」

声をかけると、ようやくこっちに走ってくる息子。

うん。サンプルのおもちゃは置いていこうね。

その時なんとなく、まだ手が小さいので、片手で掴めるトミカが良いのかなと思って、トミカ売り場を見せました。

「何か欲しいのあったら、一個だけ買ってあげるよ」

「アムニンムニャムニャ」

何言ってるかは分からんけど、とりあえず返事されたのは分かった。

順番に見せたは良いけど手には取らず、手渡ししても棚に戻す息子。

そして、何故か棚で遊ぶ息子。

それは買ってやれないよ。

そうかあ。あんまり好きじゃないのかな。と思っていたら、奥さんが別のおもちゃを私に見せました。

「バスが良いんじゃない?」

……ほんとか? どっちかって言うと、カッコいいより可愛い系の、息子が片手で持つには少し大きめなバスのおもちゃ。

これよかトミカの方が良いんじゃないだろうか。と、物色していた所、下から手が伸びて来ました。

「ううー!!(訳:YO☆KO☆SE!!)」

おお。さすが母。

「でもこれ、大きいよ?」

「ううー!!(訳:いいからよこせ!!)」

「……」

手渡しすると、早速地面にバスを置いて、それを走らせようとしています。

息子よ。まだパッケージすら開いてないんだが。

「ぷっぷー」

おい。前に私が声かけた時は何も言わなかっただろ。

……まあなんか楽しそうにしているし、これが良いって言うならこれを買ってやるか……っておもちゃ意外と高いな。日本全国の親御様には頭が下がるばかりで。

じゃあこれでー、と思っていたら、そのバスの隣にも同じ種類のバス。おもちゃとしては同じものだけど、息子が持っているものはバスの中に人の絵が描いてあって、こっちには描いてない。

……ふーむ。

「どっちがいい?」

もう一つのバスも見せてみると、息子は地べたに座り、2つのバスを並べました。

「……うー」

おお。

悩んでいる。

どうでもいいけど、人が来たらそこ邪魔。

「ウオオオオ!!」

勝利の雄叫びのような声を出しながら、どっちにするかを決めた息子。それは最初に母が手渡したものだったという……。

さすがだ。


以降、家では毎回バスのおもちゃを取り出しては、音を鳴らしながら地面を走らせています。

「ぷっぷー」

「バスだねー」

ところで最近、息子がようやく覚えた言葉がこちらです。


「おいちい!!」


「バス食うのかい?」


お後がよろしいようで。


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