浮遊する無名作家の浅慮

『ぼくたちは勉強ができない』がアニメ化すると聞いて。【漫画レビュー】

ぼくたちは勉強ができない 1 (ジャンプコミックス)
筒井 大志
集英社 (2017-06-02)
売り上げランキング: 19,011


いやー、実は随分と前からひっそりと「この漫画、とてもクオリティが高いな」と思っていたのですが、なんだか気がついたらアニメ化まで発表されていたという事らしく。筒井大志先生の作品です。ジャンプなので、やはり知名度も高いのでしょうか。

当たり前の事を当たり前のようにできる事は、実はすごい事なんだと。なんだか、そんな事を思わず考えてしまうような作品です。私にとっては。

初めて読んだ時は衝撃を受けたものですが、最新刊まで読んでも全く飽きが来ないというのは……いやー。すごいことです。

ということで、『ぼくたちは勉強ができない』の感想など述べられればなと。





作品の完成度が美少女。

真っ先に思ったのはコレでした。美少女ラブコメディというジャンルでありながら、むしろ作品の完成度が美少女なのではないかと。

ギャグよし、キャラよし、テンポよしと三拍子揃っていて見事でありながら、物語上にこれといって激しい展開を持たないというのが、この作品の特徴だと考えているのですが。これ、実はとても難しく。

よく動くキャラクターを作るための最も簡単な方法は、よく動くための土台を作ることだと思うんですよね。

たとえば、ある日平和だった世界が平和ではなくなってしまうケース。『では、また平和を再構築するためにはどうしたら良いのか?』という問いかけを各キャラクターが持つことによって、否が応でも動くしかない状況を作ってあげるのだと。

その点、こちらの作品は大きな話の流れはあるものの、今の所世界観に大きな変化がもたらされたり、何か主人公に強い異変が起こったりということはなく。にもかかわらず、キャラクターがとてもよく動いていて、話に飽きが来ない。


いやー、すごいな、と。


「ラブコメは中弛みするから読めない」という声を聞くたびに、「あれは毎回小さな話を考えて積み上げて行かないといけないから、すべての話を100%面白くするのは難しいんだ、仕方ないんだ」とフォローを入れてきた私なのですが、この作品は自信を持ってオススメできます。すごいです。

ちゃんと大きな話の流れはあるんですよ。でもそれは、小さな話にぴったりと寄り添うように二人三脚で進んで行くようになっていて、その小さな話が毎回面白いんです。

どうやって作っているんだろう……。


ハーレムだからと毛嫌いすることなかれ。

話の大筋といえば、天才的に文系が得意な少女と、理系が得意な少女がいて、しかしそれぞれが全く真逆の進路を希望しており。

それを、何か特別な才能はないけれど、とにかく努力して勝ち上がった秀才の主人公が、ひょんなことから「よしいっちょやったるか!」と二人の天才に勉強を教える……というものです。

スタイルは所謂男性向けラブコメで、男性一人に女性複数のキャラ構成を取っているのですが、話が話だからか、そんなにハーレムっぽくありません。

まあ好き嫌いはあると思いますが、話の内容も結構さわやか路線なので、『ハーレムだからNO!』と毛嫌いする程のものではないのかな、と思います(個人の感想です)。

各話もほとんどが主人公1・ヒロイン1にスポットを当てて書かれているのでごちゃ混ぜになる事がなく、なんなら好きなヒロインの話だけを読んで進めることも今の所、できています。

こうすることによって、各話をシンプルな構成にすることができ、ヒロインの多い作品でありながら誰か一人にスポットが当たりすぎたりすることなく、満遍なくすべてのキャラクターを活かすことができると。

きっとこの辺りの徹底された作風が、上記の完成度の高さに繋がっているのでしょうね。いやー。すごいことです。


あ、単行本で読むと、各話の終わりに主人公の妹が出てきて、それがわりと和みます。



ストーリー、キャラクター、世界観、テンポなどなど、どこを取っても優等生なので、広く好まれそうな作品だろうなあと感じました。

各話が独立しているのも良いですね。最近は仕事がとても忙しいので、ふと久方ぶりに漫画を開いたりすると、前に何が起こっていたのかを忘れてしまったりするんですよね……。

この作品はまずそれが無いので、安心して読めています。

なんといってもほのぼのとしていて、仕事の息抜きには最高です。ぜひオススメさせて頂きたい。

お後がよろしいようで。



ぼくたちは勉強ができない 1 (ジャンプコミックス)
筒井 大志
集英社 (2017-06-02)
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