浮遊する無名作家の浅慮

小説を書いて20と数年。本当の作品価値と、これからの課題。


……ということで、こちらの拙作『(前略)あまりもの冒険譚!』が完結いたしました。

https://ncode.syosetu.com/n1018df/

途中でサブタイトルをいじったりしましたが、結局タイトルそのものは最後まで変えませんでしたね。

総文字数、120万文字でございます。完結まで2年かかりました。

最後に2年を通して1つの作品を書いたのは実に高校生ぶりで、10年以上前のことです。

やり切ったのは1つの大きな成果です。途中、期待しては叩かれ、厳しい時もありましたが……。

……いや、ぶっちゃけ本気で苦しかったですよ。特に書籍化の予定が潰れた時なんて、もう完結できる気がしていませんでしたよ。

でも、書籍化のお話を頂いたのは本作が始まって、既に一年以上が経過した後の事だったのですよ。ここまでリソースを突っ込んだら、もう後には引けない。そんな思いで、最後まで書き切りました。

2年前から構想していた事も、すべて成し遂げまして。ようやく、解放された身でございます。

小説は、一生を通して書いていきたいと思っておりますが。

せっかく完結しましたので、『ライトノベル』というジャンルにおける、『本当の作品価値』とは何だ、といった考察と。

私にとってのこれからの課題を、簡単に書いて行ければ良いなあと。

今回は、そんなお話です。






書籍化されなかった背景から、『本当の作品価値』を考える。

他社から声がかからなかった理由とは。

まあ、書籍化が倒れてしまったのは私だけの都合ではないもので。これはもう、致し方ないものです。誰も悪くない。

それでも、他の作家様の作品が拾われていく中で、この『(前略)あまりもの冒険譚!』は、どこにも拾って頂けませんでした。

理由をいくつか考えてみましたが、まあなんといっても『小説家になろう』上の評価がそんなに高くない。

やっぱり、これに尽きるのではないかなと。

私がどれだけ作品につぎ込んだ技術がどうこうとか、作品の面白さがああだこうだ、実際に周囲の評価も悪くなくて云々、なんて言った所でですね。これは揺るぎない事実なわけです。


何故なら、公開された作品を評価するのは自分ではなく読者であり、他者だからです。


……と、いうことは。

私が考える『ライトノベル』というジャンルにおける最良の形と、周囲の求める『ライトノベル』というジャンルにおける最良の形が、まだ噛み合っていない。

そういうことではないでしょうか。


『ライトノベル』における今までの認識。

そこで、今度は私が考える『作品価値』というものと、周囲の求める『作品価値』とのすり合わせを、もう一度、行わなければならないと。そのように感じております。

これまで『小説家になろう』で書いてきて、私が必須としているライトノベルへの課題(作品が持たなければならない価値)は、こんなところです。

○プロット
1.導入に驚き(引き)があること。
2.場面転換のテンポが良く、飽きさせないこと。
3.10万字以内で必ず、大きな感情の動き(山場)がある。
4.作品を通して、伝えるべきメッセージを持っている。

○文章
1.無駄な文字・読み難くする単語が多くない【重要】。
2.フォーマルよりもラフ。文体は読みやすく浸透しやすいもの。

でも、これだけでは足りないと分かりました。

確かに、作品としての評価は中々。でも、そもそも人があまり来てくれない。

そのような問題が出てきてしまったのですね。

そこで、この問題には根本に、深い原因があるのだなと。そのような結論に達しました。

プロットと文章だけでは、ライトノベルは語り切れないと分かりました。


『ライトノベル』に必要と思われる新たな要因、『タイトル』。

まず、大きく意識しなければならない要素の1つとして、『タイトル』という要素があることを発見しました。

……今更ですか? ごめんなさい。

しかし、やはり人から聞いていてもですね。ちゃんと理解していないと、扱い切れないのですよね。

この『タイトル』についてですが、これまで甘く見ていたと言うべきか……本当の所を言うと、そもそも見ようとしておりませんでした。


良い作品を書けば、必ず後からでも結果はついてくる。


……と、思っており。

何より、釣りタイトルみたいなのってあまりしっくり来ないもので、書いていて段々嫌になってきてしまうなあ、と。

そんな認識でやっていたのですが。

この部分は、ブログや営業活動(仕事の方)に従事するにつれて、この2年間で最も大きく変化しました。


考えてもみてください。Webにせよ、書店にせよ、作品を求めてやってくる多くの読者様は、タイトルを見て、読むかどうかを決めているのです。


つまり、作品を目にする人々のうち、その大半は『タイトルしか見ていない』のですよ。


ここをちゃんと攻略せずに、『中身が良ければ支持される』というのは……少々、ぎこちないと言わざるを得ない。


チェーンの外れた自転車を必死で漕いでるみたいな。



炙り出された結論から、『これからの課題』を考える。

これまでの作品タイトルに対する意識。

とは言ってもですね、『(前略)あまりもの冒険譚!』というタイトルに、何の工夫もなかったのかと言いますと……それが、そうではなかったりもします。

まず、(前略)が付いていること。カッコが付いていますので、書店に並べば絶対に目を引きます。

カッコが取れれば『あ行』ですので、場合によっては書店で一番左上の方に置いて頂けるかもしれません。

人は何も目的が無いとき、『あ行』から作品を見ます。そこを突く、という意識でおりました。

本を開いて貰えれば、最初のページで引きがある。そこから完結までテンポが途絶えない。それは、作っているつもりではあります。

しかし、問題も抱えていると、書く前から気付いておりました。


このタイトル、Webではそこまで目を引かないのですよね。


……だから、元よりWebで支持を得るつもりはなく。書籍化の声が掛かってからが勝負。そのような気持ちで挑みました。

釣らず、嫌味がなく、かつ目を引くためには、これくらいしかやれる事が無かった、という事でもありました。


タイトルと紹介文を攻略するためのヒント。

しかし、この『釣らない』という意識は、一旦捨てます。

何故、『釣らない』か。そもそも、タイトルで『釣る』ってどういう事なのか。

それを考えてみて、ふと気付きました。


『釣るタイトル』とは、『読んでみたくなるタイトル』と言い換えられます。


何も悪くない。むしろ、本気で研究して、全力でやるべきです。『釣る』なんて表現をするから、なんだか嫌な気がするだけではないでしょうか。

本気で、『読んでみたくなるタイトル』とは何かを考えることです。

そうしなかった理由は何かと考えた時に、やっぱりですね。……私は、格好付けたかっただけだと気付いたのですよね。

なんかカッコ良い(気がする)タイトルで勝負したかったんですよ!


でも、考えてもみてください。同じ作品内容で違うタイトル。10人いる読者のうち1人に支持されるのと、1000人いる読者のうち1人に支持されるのは、どちらが楽でしょうか。


間違いなく、圧倒的に後者。……ですよね。

だから、『釣り』なんて表現を使わず、全力で『読まれるタイトル』を意識します。

※『嫌味がない』は継続します。


進化版『ライトノベルの必須事項』。

そこで、新たに以下の要素を投入したいと思います。

○タイトル
1.可能ならば、パワーワードを使ったものにすること。
2.タイトルからベネフィット(利益)が伝わる内容にすること。
3.驚きの要素を含むこと。

○紹介文
1.作品の内容が簡潔に伝わる内容にすること。

○プロット
1.導入に驚き(引き)があること。
2.場面転換のテンポが良く、飽きさせないこと。
3.10万字以内で必ず、大きな感情の動き(山場)がある。
4.作品を通して、伝えるべきメッセージを持っている。

○文章
1.無駄な文字・読み難くする単語が多くない【重要】。
2.フォーマルよりもラフ。文体は読みやすく浸透しやすいもの。


後は思い付き次第、具体化していければと考えております。特に紹介文の所はまだ、まるで知識が足りていないと分かりました。

芸術の分野って、求められる技術が多いですよね……。

ちなみにタイトルの部分では、ブログで得た技術をがっつり導入していく予定でおります。

読まれるタイトル=ブログのSEO対策で考えるタイトル、と言ってもいいくらい、この2つには大きな共通点があると気付きました。

ブログを研究していてよかった……。なんでもやってみるべきですね。



おわりに。

……ということで、これからも小説を研究してまいります。

相変わらずいつまでも拙く恐縮ではございますが、「読んでやってもいいぜ!」という方は、どうぞよろしくお願いいたします。

そういえば、色々な方に相談させて頂く中で、『異世界転生にすれば』ですとか、『スローライフやろうよ』なんて声も頂きましたが。

すいません。私としては、そういった要素は必須事項には含めずにやりたいと思っております。

いや、研究していった結果、結果的にそうなるのは、全然問題無いんですよ。

でも、『流行っているから異世界転生』『売れているからスローライフ』というのは、あんまり本質を突いていないような気がして。

言い換えれば、『異世界転生なら何でも必ず面白い』『スローライフなら絶対に売れる』という事だと思うのですが……おそらく、そんな事は無いだろうと思うのですよね。


目的はあくまで、『より多くの読者に愛され、より人生が豊かになるための作品』でありたい。


その目標を達成しなければ……私にとってはですね、ただ売れても価値はないと。

そこだけは、意識高い系でいきたいなと。

それでは、今後も頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

お後がよろしいようで。


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