浮遊する無名作家の浅慮

『作品を人に見せるのが恥ずかしい』問題の、3つの解決法。

『作品を人に見せるのが恥ずかしい』問題の、3つの解決法。


「作品を人に見せるのって恥ずかしくないですか?」



……と。先日、このような事を相談されまして。

ええまあ、後になって技術が付いた後で、「あー、こんなレベルの低い事やってるなー」と思うことは、やはりありますよね。

遠い昔、私にもそんな時代があったように思います。年齢がまだ一桁だった頃は、そんな事を考えていたような。

なんと言いますか。恥ずかしい思いをし過ぎて、もはや自分が恥ずかしいという事への感度が麻痺してしまっているのかもしれません。

よもやこれは稀に見る、最高に恥ずかしい大人ではないでしょうか。

しかし、そんな所で停滞していることに、得はないと思うのですよ。……ということで、今回は『作品を人に見せるのが恥ずかしい』問題を解決したいと思います!

※恥ずかしい大人の意見ですので、どうかご容赦ください。






解決法その1:『人に見せなきゃ始まらない』事を知ること。

もう、解決法なんてこれだけではないかとも思い兼ねない状況ではあるのですが、いきましょう。

作品は、『人に見せなきゃ始まらない』という事をひとつ、ご理解頂ければと思う限りでございます。

何でもそうなのです。マンガ、小説、イラスト、ゲーム。会社の企画や商品、アイデア。ブログなんかも作品に当たりますでしょうか。

自分が作ったものは、「公開して初めて、その価値が分かる」のですよね。公開するまでは、その作品の最終的な価値は分からないのですよ。

「あー、こうした方が良かったかなあ」と言って、途中で作品を作り直すよりは、未完成でも公開してしまった方が上達は速いと言えましょう。

何故、作品は人に見せなければ始まらないのか。

それは、『作品は人に見せるもの』だから。なのですよね。

当たり前だと思うでしょうか。確かに、文字にすると当たり前かもしれません。

しかし、少しばかり説明させて頂けますでしょうか。

人に見せるものだという事は、評価をするのは自分ではなく他人です。他人の意見というものは、思った以上に自分と違うものでございます。

自分が自分の主観で『最高!』『完璧!』と思ったものは、多くの場合、他人の『最高!』でも『完璧!』でもないものです。

だから、公開してみなければならない。

他人の『最高!』『完璧!』と、自分の『最高!』『完璧!』を、合わせていかなければならないと。

そうすることで、初めてクリエイターである自分と、閲覧者・読者・利用者といった方々との間に、Win-Winの関係が生まれます。

そして、そのためにはまず価値を創造し、どんなにレベルが低くても良いから、品を出さなければならないのです。

時には、厳しい評価を受けるかもしれませんが……それはまだ、自分と相手の距離が開いている証拠。良い勉強だと思いましょう。



解決法その2:どんなプロでも、はじめはプロではない事を知ること。

作品を公開するのが恥ずかしくなったり、後ろめたくなったりしてしまうのは、自分の作品が拙い事をどこかで自覚しているからだと思います。

構いません。突っ走りましょう!

未熟で良いのです。自分が未熟であることが、停滞する理由には成り得ません。一番最底辺でも構わないのです。

後から考えれば、最初から出来る方が不安なのですよ。自分が最底辺だという自覚があれば、そこから先は上がっていくだけではありませんか。

どんなプロでも、はじめはプロではないものです。何度も作品を公開して、時には叩かれたりもして、初めて見えて来るものがあり、成長していく。

そんなことを何年も続けて来た人たちが、初めてプロになれるのではないでしょうか。
運だけではないと嬉しいなあ……。

私にもですね。『やればできる。やっていないだけだ』と思っていた時期がありました。

正直に申し上げますと、自分が『やればできる』と思っていたものの中で、やって出来たものは1つもないです。

自分には才能がないんじゃないか……? と凹んだ時もありましたとも。

しかし、ある程度の技量が付いて来ると、成功には運が絡むことが分かって来ます。素晴らしい作品を作ったからといって、それが最初から良い感想を得られるとは限らない事にも気付きます。

逆説的ではありますが、『なんだかよく分からないけれど、たまたま上手く行ってしまった人たち』も、世界のどこかには、必ず存在するのです。

どうでしょう。どちらかと言えば、その方が怖いと思いませんか。

一度成功してしまってから、『同じ栄光を求めて』追い掛けるというのは、成功するまでに苦難の道を乗り越える事よりも、はるかに辛いことです。

だから、痛くないうちに転び方をマスターしましょう。



解決法その3:どんな作品にも、『賛同者』がいると知ること。

最後はこれです。意外と重要で、しかも見落としがちな事かもしれませんね。

後から見てみればどんなに未熟な作品にも、公開している限り、『好きだ』『気に入った』と思ってくれる人は存在します。

長く公開していれば、いつかはそういった事を経験します。……しかし、公開しなければそれは100%、無いのです。

だから、公開しましょう。大丈夫です。怖くないですから。

作品を公開することを躊躇ってしまう理由のもう一つは、『批判を受けるのが怖いから』ではないかと思います。

しかしですね、必ず賛同者もいる事を知れば、批判を冷静に受け止める自信が付くと思うのです。

実際、数少ない『楽しかった!』『次も期待しているよ!』という言葉に、作者が何度救われることか。

少ないコメントでもそれを頂けると、明日の活力に繋がります。出すのを燻っているよりも、よほど楽しいですよ。

……ということを、恐縮ながら最後に述べさせて頂きたく。





やっぱり、クリエイティブな活動をして来なかった人ほど、この手の問題で悩んでしまう傾向にあるようですね。

そんな時はですね。この、最高に恥ずかしい活動ばかりをしてきた私のことを、どうか思い出して頂きたく。
  • 初めてネットで公開した作品のアクセス数は1桁(おそらく自分のみ)
  • 初めて人に見せた脚本は友人間・大人も含めて評価がズタボロ(というか怒られる)
  • 文章を始めて20年以上経った今もまるで花開かない
  • ブログも300記事以上書いているけど未だにかすりもしない
おお……書いていて辛くなって来ましたよ。

これに比べれば、はるかに良いですよ。きっと。だから大丈夫です。ね。

……さて、適度に自分いじめをしたところで、そろそろ前を向きましょうか。

楽しく作品を作ることができるようになる人が、一人でも増えれば良いなと願っております。

お後がよろしいようで。


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