浮遊する無名作家の浅慮

悪質なクレーム対応で気を付けておきたい、2つのポイント。

悪質なクレーム対応で気を付けておきたい、2つのポイント。


クレーム対応。それは多くのサービス業務において、仕事をする上で避けては通れない出来事であり、また最も気力を消費する仕事である……!



……さて、今年も着々と年末へ近付いておりますが、皆様やり残したお仕事などございませんでしょうか。

私はと言えば、年末までにやらなければならない大きなプロジェクトがあと2つほど、残っております。ええ、私の持ち分です。

もはや気分は『プロジェクトX』のそれにも近いような状況でして、やはりあれですね。ここは『地上の星』など口ずさみながら、ダカダカキーボードを叩く以外に逃れる術はないと。そのようなところで。

どうして年末に、こんなにも仕事が積まれているのでしょうか。何と言いますか、今年は夏からずっとこんな感じなのですよね。ひとつの仕事を終えると、もう次の仕事が入って来ると。矢継ぎ早にもボルテッカー。その速さたるや、超電磁砲もびっくり。

そんな中、どうも秋から冬にかけては、誰がミスした訳でもないのに発生してしまった、やや大きなクレーム対応などに奔走していた訳なのですが。

ところで、クレーム対応というものはやはり、難しいですよね。自分または自分の会社が確実に悪いと言える時は、これはもう然るべき対応をするしかありませんが。

そうではなく、誠実な対応をしているつもりでも、怒りを感じさせてしまうと。やはり人と人との関係なものですから、そういった事も往々にしてありますよね。

そうなるとやはり、気になってしまう事がございます。

「頻繁にクレームを出す人――……いわゆる『クレーマー』というのは、一体どういった価値観から物事を考え、クレームを出しているんだろう?」

不思議なもので、頻繁にクレームを出す方もですね。自分がクレーマーであるという事を自覚してクレームを出している訳ではない事の方が多いです。そこには、個人と個人の常識の差が生まれているのではないか。

そこで! 今回は、頻繁にクレームを受ける接客業の方々の話を中心に聞きつつ、『クレーマー』の方が考えている事の共通項を探ってみました。

私自身が聞けている話からしか考える事ができず……浅慮ではございますが、悪質なクレームに日々悩まれている方の、何かの助けになればと思うばかりでございます。





 共通項1:『支払ったお金の額=受けられるサービス』という概念がない。

さて、そもそも何故クレームを出すのかと言えば、大枠で括るのであれば、これは『自分が(あるいは、想定以上に)不当な仕打ちを受けている』と感じるからだと、私は考えております。

しかし、この『不当な仕打ち』と感じるラインについての価値観は人それぞれであり、場合によってはとても大きな差となってしまうのですよね。

思い返せばこのような話もありました。

※事実をそのまま書くことはためらわれたので、若干の変更を加えてあります。

とあるコンビニで接客業をしていらっしゃる方、Aさん。その方の所に中年男性が現れ、手に持っているパンをAさんに手渡し、こう言ったそうです。

「これ、温めて欲しいんだけど」

勿論、そのコンビニで買われたパンではありませんでした。

「いや、うちの商品ではないものはお取り扱いできないんですけど……」

すると、このように返答が返って来たそうです。

「商品だとか商品じゃないとかじゃなくて、温めるのがお前の仕事だろ」

さて、この場合……温めるのは本当に、Aさんの仕事なのでしょうか。……違いますよね。

Aさんはその時、レジを担当しておりました。ただ、この『レジでのサービス』という仕事の括りが、お客様とAさんとの間で相違していた、という事でしょうか。

現代では、世の中はお金によって回っているものですから、お金を支払った事(=価値)に対して、私達は様々なサービスを受ける事ができます。

人の話を聞き、自分でも調べてみて、以下の部分がポイントだな、と感じました。

  • 『お金を支払った事による対価として、サービスを受け取る』という考え方が欠如している。
  • または、著しく自分への対価を大きく設定している(支払ったお金以上のサービスを期待している)

この点にですね、私は非常に問題を感じましたよ。

『お金を払っているのだから、当然の権利』というのは……資本主義である以上、確かに一つの側面としては正しいのですが。

しかし、まあ極端な話をすると、『50円あげるから1日働いてくれ』と言っても、誰も働いてはくれないですよね。そういった観点が、いざお金を払う側の立場になると、途端に見えなくなってしまうことがあると。

この点については気を付けなければならないなあ、と再確認いたしました。

上記の例では、もはやお金すら払っていなくても、その場所に行けばサービスが受けられると考えている方もいる、といった事であり……ここの『常識』の部分に、非常に個人差を感じますね。

では、どの程度の感度が正しいのかと言えば、概ね人件費の事を考えれば、ある程度のものさしは出来ると思うので、そこに注意しなければならない、という事なのだと。私はですね、そのように考えているのですが。

やーまあ、それでも難しい所ではございます。一概には決められませんね。



 共通項2:『これくらいは対応するのが礼儀』という範囲がとても広い。

若干上記の理由と被るような面もありつつ、それでも似て非なるものだと感じる部分に、もうひとつの『対応するのが礼儀』説があるものだなと、今回周囲のお話を聞いてみて、感じました。

これは、お金がどうという話ではなくて、『モラルとして』やるのが『常識』であると、そう考えていらっしゃる方もいるのだと、そういう事なのですが。

この『礼儀』という名の『常識』もですね……人によって、相当に範囲が違ったのですよね。

例えば意見が割れやすそうな質問として、以下に挙げてみました。

  1. 仕事またはプライベートで人と会った時、後にお礼のメールをするのは『礼儀』?
  2. 人からプレゼントを貰った時、プレゼントに対しての感想を相手に言うのは『礼儀』?
  3. 飲み会に行った時、相手にお酒を注いであげるのは『礼儀』?
  4. 人からモノを借りた時、モノを返す時にお菓子などの品を添えるのは『礼儀』?
  5. 誰かと一緒に出掛けた時、事前に食事する店などの情報を調べておくのは『礼儀』?

さて、ぱっと思い付くだけでこの位は出て来たのですが、皆様の場合はいかがでしょうか。

ここでのポイントとして、『礼儀』である、つまり社会の決まり事であると考えている方ほど、他人が自分の決めているルールの通りに動いてくれないと苛々してしまい、クレームをぶつけてしまう――……といった流れになりやすいと。

当然のように決まり事としてするものなのだから、『なんであいつはやらないんだ!』→『自分は不当な扱いを受けている!』と発展してしまいがちなのですよね。

特に若い方ほど、こういった間接的な内容で相手へ配慮するという習慣がなく……相手を怒らせてしまう事も、多いものだと思います。

しかし、人によって生きて来た環境が様々であるように、自分が知っている事を相手が知らない可能性というものもまた、多いのではないでしょうか。

仮に知っていたとしても、『そこまでする必要……ある?』といった問い掛けにより、その人の常識として『結果、行動しない』となる可能性もあるものだと思います。

やはり線引きは難しいもので、だからこそ人によって差が出るものだとも感じているのですが。ここはひとつ、「配慮してくれたら嬉しいな」くらいの気持ちで、おおらかな態度でいることができれば。

相手も自分も嫌な気持ちになることなく、Win-Winの関係を結ぶ事ができるのではないでしょうか。

……そういえば、こんな話を書いていて、親戚に結婚祝いのお返しで「そうめんが欲しい」と言われたから少し頑張って良いものを贈ったのに、「私が思っていたのと違う! つまり仲良くする気がないっていうこと!?」と怒られたことがあった事を思い出しましたよ。

そんなに怒るなら、『この銘柄の、このそうめんが欲しい』と言って頂きたかった……。

とまあこのように、その親戚の方にとっては、『結婚祝いのお返しのそうめん=某銘柄のそうめんを贈る』ことが『礼儀』であり、『常識』かつ『マナー』であるのだと。

そんな事は言わなくても分かれと、そういう事だったようなのですね。

『常識』って、難しいと思いませんか。







ということで、『クレームを出す時の気持ち』といった観点から、このような記事を書かせて頂いたものではございますが。

沢山の人と会うほど、人によって常識というものは実に様々であり。

そこに差があるほど、それを埋めるのは困難になってきてしまう、と感じております。

クレームを『改善のための指摘』として利用されている方であれば、勿論これは悪い事ではないものですが、『誹謗中傷』のような形で殴り付けるようにクレームを出してしまう事は、できれば避けたいですよね。

言われる方も傷付きますし、実は言う方も中々に傷付くものです。

そこで、自分と接する相手方への配慮として、『自分と相手の違いを受け入れる』ようにしよう、という意識を私は持つことにいたしました。

ひいては、これこそが本当の『礼儀』ではないかとさえ感じると。今は、そのようなところで。

しかし、一方的に怒られてしまうのは、やはりこれは分かっていてもダメージを受けてしまいますね。クレームを避けるよう、可能な限り人には配慮をしていきたいと思うところでございますが。

まだまだ私も知識が浅いもので、配慮しきれない部分が多く。精進して行かなければならないなと、ひたすらに感じるばかりでございます。

笑顔で、争いのないように努めて行きたいものですね。

お後がよろしいようで。



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