浮遊する無名作家の浅慮

『一流の記憶法』は社会人の必読書ではないだろうか。【ビジネス書レビュー】

一流の記憶法: あなたの頭が劇的に良くなり「天才への扉」がひらく
ニケ出版 (2017-01-13)
売り上げランキング: 37


ということで、今回は六波羅穣という方の本を読ませて頂いた訳なのですが、これが私の想像していたレベルを遥かに凌駕しておりました。そんなお話でございます。

私といえば、学生時代忘れ物の常習犯・待ち合わせの時間間違い常習犯・頼まれていた買い物を忘れる常習犯と、これがまた中々に物忘れの激しい人間でして。

そりゃあもう、怒られてばかりでございました。

三歩で忘れる鳥頭とは言いますが、三歩覚えていられるって結構すごくないですか。私なら三歩どころか三秒で忘れる自信ありますよ、といった体たらく。

懐かしいですね、小学生の時はよく怒られたものですよ。「お前学級委員長だろ」って。今の私なら堂々と言い返す自信がありますよ、「物忘れと学級委員長は何の関係もありません」と……え? 図々しい? こりゃまた失礼いたしました。

そのようなレベルの記憶力であったにも関わらず、そのまま社会人にまで成長してしまった私なものですから、最近ではそりゃあもう、大変なことになっております。

まずですね、自分自身が記憶力に自信がない事など百も承知なものですから、常にノートブックを持ち歩くようにしているのですね。手元にはiPad、携帯電話はもちろんiPhoneといったようす。

そこで、何かあったらとにかく電子媒体でも紙でもいいから、どこかにメモしておくと。

そうすると、そのメモを見ればすべてが思い出せると。なるほど私頭良いな、と思ったところで、次の課題は皆さん予想の通りだと思いますが。

そう、メモを見るのを忘れるのですよね。

ついでに、どこに何を書いたのかも忘れているという。

ついこの間は重要なお客様との約束をすっかり忘れておりまして、今回は大変仲が良いお客様だったものですから、「いやまあ、大丈夫ですよこれからでも」という暖かいお言葉を頂けたものではございますが、私もさすがにこれはやばいなと。

ある意味、記憶力の底辺を超越しているのではないかと再認識しました、といったところで、本書を読むに至ったと、まあそういう事なのですが。

いやあ、これが凄かったんです。私としてはですね、世界が変わったような気分ですよ。

まずは気分だけでも。





 殆どの記憶したい内容は、『想起練習』をするだけで達成できる。

この本にはですね、こんな事が書いてありまして、それが強く私の根底に刻み込まれました。

「殆どの人は、記憶力が悪いから覚えていられないのではなく、覚え方を知らない」

本の中にはですね、物覚えが悪いといった認識をされていた方が、記憶について努力し、記憶力の世界選手権にまで到達したというエピソードが語られておりました。

私としてはですね、記憶力とは筋力のようなもので、覚えれば覚えるほど良くなるものだと認識していたもので、これがまた驚きでして。

エビングハウスの忘却曲線というものがありまして、このヘルマン・エビングハウスという心理学者の記憶実験では、次のような事が分かったと言うのです。

『物事は覚えたばかりの時には忘れやすく、時間の経過とともに忘れにくくなる』

具体的には、1日経っても覚えていられた情報に関しては、大部分を長期に渡っても覚えていられるのだと。1週間覚えていられれば、1ヶ月経っても殆ど変動はないと。

つまり、1日の間覚えていられるようにすれば、その後はほとんど忘れないようにできる!

そのためには、一度覚えた事を意識の範疇から外して、忘れたと思った頃にまた思い出すのだと。これが大事だと。そのような事は私、初めて知ったものですから。これまで何度物事を覚えようとして、何度繰り返し暗唱していたか知れません。

ただ繰り返し暗唱するだけでは、(まったく効果がない訳ではありませんが)物事は覚えられないものなのですね。

……といった風にですね、「情報が記憶されるしくみ」「情報を忘れる・思い出せなくなるしくみ」といった事を前半に、実際に利用するための記憶法を後編にというパートで構成されているのが、この本でございます。

これだけでも驚きだったものですが、さらに後半へ進むと、衝撃の記憶法が記述されておりました。



 要の『数字イメージ変換システム』と『ペグ法』。

さて、後半は記憶法について語られていたものでございますが、これが蓋を開けてみると私、読み進めていく中では「なーんだ」と。そういった感想を持っておりました。

そこには、「覚えたい言葉の頭文字を取って、言葉を繋げる」「覚えたいふたつの事柄を語呂合わせにする」といった、既に知っているものばかりが挙げられていたからです。

しかし、この本がそれで終わりにならないのは、実際にどれほど記憶していられる量・時間に違いがあるのか、実践する形で載っているからではないでしょうか。

ここにも驚きがありました。……正直ですね、まことに正直な気持ちを申し上げますと、頭文字で覚えたり語呂合わせで覚えたりといった事柄についてはですね。私、結構馬鹿にしていたのですよね。

「そんなもんで覚えられたら苦労しない」ろくに実践もせずに、そのように決め付けていた私は。だから、物事が覚えられなかったのだなと。そのように感じました。

何故そういった手法が有効なのかも、ちゃんと説明がされており。『記憶は思い出される手掛かりの数が多いほど想起しやすい』『互いに干渉しないように、ユニークな手掛かりをもった記憶は想起しやすい』といった裏打ちに、頭が下がるばかりでございました。

そして、この本の中身で注目して頂きたいのが、最後に記されている『数字イメージ変換システム』と『ペグ法』です。

こちらは1~99の数字をイメージに当てはめていく、という記憶法についてと、壁に打ち込んだペグ(掛け釘)のように物事を引っ掛けて(関連付けて)覚えていくペグ法についての具体的な方法が記されているのですが。

「準備に時間がかかる」と書かれていた通り、普段生活する中ではあまり使わないもので、私も試しに準備してみたのですが(一週間ほどかかりました)、その効果は絶大でした。

どの位絶大かと申し上げますと、本書の最後には「円周率100桁を覚えよう」というコーナーがありまして。私はですね、昔20桁ほどでギブアップした事があるのですが。

なんと、2回最後まで読んで、覚え方を考えただけで、覚えてしまいました。

所要時間は多く見積もって15分程です。今でも暗唱できます。

私はですね。思いましたよ。

「まじか」と。

「これで覚えていられるのか」と。

いやあ、すごい。さすが、『記憶の宮殿』と呼ばれるだけの事はありました。確かにこれなら私、様々な事を覚えていけるような気がいたします。

これから、日常生活から仕事までの様々なシチュエーションで活躍していく事でしょう。





という事でですね、この『一流の記憶法』、機会があればぜひ、読んで頂きたいと思うものです。

私のように記憶力にまるで自信がない人間でも使えるのですから、もし知らない情報であったなら、きっと役に立つ事だろうと思うのです。

そう考えると、やはりこの本は、社会人の必読書と言っても過言ではないのではないか。などと、多少盛ったような事を考えてしまう私ではありましたが。

知っている人ならばいざ知らず、私にとっては衝撃の連続だったものですから。ええ、そこはやはり。

ところで、この本を読んでから私、買い物メモというものがほぼ不要になっていたのですが、そのように慢心した所で、ふと2日目の買い物で支障がありました。

連続した日の買い物。ついうっかり私は、同じペグを利用して物事を覚えようとしていたのです。同じペグを複数の記憶に用いると、『記憶の干渉』を起こして思い出される情報が変わってしまうのですよね。

……と、ちゃんと書いてあったのですが。

(あれ? 買っていくのは豆腐だっけ? それとも納豆……)

記憶法は確かに優秀ではありましたが、このように使い方が悪いと支障も出ますので、どうか皆様は有効にお使い頂ければなと。

やはり、どのような武器も使い方ですね。

お後がよろしいようで。


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