集英社 (2014-09-19)
売り上げランキング: 20,666
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ということで。今回は週刊ヤングジャンプから、杉戸アキラ先生の『ボクガール』でございます。
いやー……実はこの作品、2014年に始まった当初、雑誌の方で読ませて頂いていたのですが。その時は続かず、冒頭の数話で断念した作品でもありました。
というのもですね。どうも私には、ギャグキャラ関連の相性があまりよろしくなかったようでして。読んでいると辛くなってしまう所があったのですよね。
ところが、今回kindle関連書籍の無料期間にヒットしたということで、改めて読ませて頂く事になったと。やはり何事も、好き嫌いは良くありません。ちゃんと最後まで読んだ上で、イケるか駄目かを判断しなければと。そう思い。
やはり私にとっては厳しい冒頭を抜け、先に進んでみたところ……
凄いじゃないですか。
改めて読んでみると、ですね。私にとって辛かったのはギャグ方面ではなく、『何を狙った作品なのかが分からない』という所だったのだと。そういう事だったのではないかと。何が起きているのかが分かってからは、ギャグはそこまで気になりませんでした。
2巻位からはどんどんと読むスピードが上がり、最終話まで一気に読み終えてしまいましたよ。
ということで。もしもラブコメが好きだという方で、まだこの作品に触れていない。もしくは、冒頭で断念してしまった方。最後まで読むと、意見が変わるかもしれませんよ。
綺麗に配置されたキャラクターと、その使い方について。
この作品の何が良いかというと、私はですね、やはりキャラクターの使い方ではないかと。そのように思う所です。登場するキャラクターに一切の無駄がなく、出て来た人物が例外なく活躍してくれる所は、やはり期待を裏切らないと。
出て来た登場人物が好きだったのに、ラストまで読んでもあまり活躍しなかった……というのは、無いようで実は意外とよくある話ではないか。
その点においてはですね、この作品は見事にそれをクリアしているのではと、私は思います。
全員活躍するのだと。初代ポケットモンスターのアニメで、仲間の数は151匹だと言っていたのに、実際は進化前と後があるからそこまで多くない。そのような問題は、この作品においてはまるで感じられないと。
むしろ、道具の11番目でセレクトボタンを連打したい。
上でお話した、ギャグキャラ関連はですね……正直な感想を申し上げますと、実は最後まで読んでも、私とはあまり相性が良くなかったようなのですが。まあギャグは作品において最も相性が出る所ですので、ここは致し方ないと。
笑いとは、『危険を伴わない驚き』ですので……驚けないと、やはり笑いは起こらないのですよね。だからどうしても、個人差が出てしまうと思います。
ギャグテイストは多めなので、きっと楽しんで読める方も多いだろうと感じました。
しかしですね。ギャグキャラがギャグキャラとしての立ち位置を変えずに活躍するというのを、私はこの作品で殆ど初めて見たようなところで。ここは新しい発見だったのではないかと。
ギャグキャラがシリアスになって盛り上がるというのは、よくある話だと思います。ですが、ギャグキャラがギャグキャラとしての体裁を保ったままで活躍しようと思うと、これが意外と難しい。
やはり、宇治金時には抹茶と小豆が欲しいと言いますか。そのような魅力があるのではないかと。練乳があっても美味しいじゃない、という意見はありますが。やはりここは、宇治金時ではないか。
かき氷が食べたいですね。
必見のラスト。
この作品ですね、なんといっても最後が美しいんですよ。これは、ラブコメが好きな方であれば、ある程度広範囲にヒットする意見ではないかと思います。というのもですね、ラブコメは何より、最後が難しいのですよね。これは作品の性質上、どうしてもそうなってしまう所で。
恋愛をメインテーマに据えた作品の場合、やはり三角関係以上が多くなってしまうと。ともすれば男主人公のラブコメに至っては、もはやハーレムであると。やはり、そのような方向に寄っていってしまうところで。
何が起こるかというと、主人公に好意を寄せている人間が一人だけではない場合、誰を選んでも誰かがないがしろにされてしまいます。しまいまざるを得ない。
しまうま。
そうすると、急にラストが難しくなるのですよね。上手くハッピーエンドにする方法を、中々思いつく事ができないと。やはり誰かは傷付いてしまうというのが、ラブコメとしての宿命と言いますか、もはやテンプレートになってしまいがちだと。
私もですね、やはり主人公が全方位に好かれるタイプのラブコメのラストは、ある程度覚悟をして読むしかないと良いますか。これは、面白くなくても致し方ないと。
そう思っていたのですが。
そう思っているとですね、度肝を抜かれます。抜かれました。
こんな方法があるのか……!!
その驚きは、『マカロニペンギンは2つの卵を産み……大きい方だけが孵化するという!!』という事が分かった時のそれに近いのではないか。
むしろ、ラブコメとはマカロニペンギンだったのではないかとさえ、思わせる程であり。
登場されたキャラクターの全てが活躍するという事は、全てのキャラクターにオチがきちんとした形で付く、という事でもあります。誰かに感情移入して読んでいた場合、例外なくこれらが回収される事の喜びは、やはり作品を読む側の立場としては大きい所ではないかと思うものです。
この点については、是非一度、確認して頂きたいなと思う所であり。
私としてはですね、このように構成の美しいラブコメ作品がもっと増えてくれればと、願う所なのですが。やはり、ラブコメというジャンルは難しいのですよね。
単純明快であるが故の難しさと良いますか、やはりリュウは波動拳を撃つ的な。ジャンプで避けたら昇竜拳、さあどうする。と、そのようなところで。
ソニックブーム。
……まあいいでしょう。
ストーリーがある程度、定まってくるからこその難しさ。それを見事に解決しているこの作品を、是非一度は読んで頂きたいと。私はですね、そう感じております。
あと、TSFという単語をこの作品で初めて知りました。ええ、そこはですね、やはり。
たまにこういう作品に出会えるから、ラブコメを漁るのはやめられない。そんな訳で、やはり男の娘はブリジットだけではないと。声高に主張させて頂きたい。
ところで、新ギルティギアにブリジットが参戦するのを密かに待っているのですが、それはいつになるのでしょうか。
どうでもいいですね。
お後がよろしいようで。
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