小学館 (2016-04-15)
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ところで、漫画レビューは久し振りに書きますね。
昨今は金欠が厳しく……。車検! 自動車保険! 自動車税! の自動車三大コンボにやられ、ちっとも趣味にお金を割けない状況が続いておりました。
しかし、そのような状態でありながらも。この作品は、なんだか読み進めておりまして。
すごく、安心して読めるのですよね。ポイントを外していないと言うのか、ついつい先のページが読みたくなってしまいます。
アニメ化したら良いのに……。
という事で、そんな想いもありながらも、今回は少年サンデーから峰浪りょう先生の『初恋ゾンビ』を紹介させて頂ければなと。
ラブコメとしての重要なポイントを逃さない。
この作者様の作品は、前作の『ヒメゴト~十九歳の制服~』から読ませて頂いているのですが。その時から感じていたのは、物語をすごくしっかり考えて書いているのだろうな、という予感でした。作品の方向性は人を選ぶかもしれないけれど、進行がとてもキレイだなあ、と。
飽きさせず期待を裏切らない。そんなストーリーラインに、なんだか美しさを感じました。
ラストまで綿密に計算された作品像ですとか、登場人物それぞれの心境がきっちり書かれていて、キャラクターに共感できる要素が多い事ですとか。
うーん……好きでしたよ。私は。
そんな中、サンデーで新しい作品を描いていらっしゃるということで。いや、それは後から気付いたのですけどね。
読んでみると……驚きました。
まさかこんなにポップな作品が、同じ作者様から登場するとは。
そういえば、『初恋ゾンビ』なんて謎のタイトルですが、実はこれ、『初恋の幻想』の事をさしております。
初恋の幻想はキラキラと輝いていて、恋をしている人間の頭上に浮いているのです。時には喋る事もあり、しかし人間はそれに気付かずに生きているのだと。
これは主人公の久留米タロウと、何名かの人間にのみ見える現象で……という、『初恋ゾンビ』を巡る物語です。
決してダークな内容ではございませんので、その点につきましてはご注意頂ければなと。
他の作品との違いというか、個性。
登場人物の配置はいわゆるラブコメディ! といった感じで。メインヒロインが何名かと、その他取り巻きを混ぜ込んで、どんちゃんやりましょう! ……と、そんな感じ。
コメディとシリアスのバランスがとっても良いのも、この作品の特徴だなあと感じます。
当然節々で起こるのは恋愛絡みのハプニング。所々お色気イベントを含みながらも、純愛に向かって進んでいくのですが。
それだけだと他の作品と似通ってしまい、お腹いっぱいだよ! と思う方もいらっしゃるかもしれませんが……『登場人物の初恋相手が見える主人公』という設定が二重の意味でウマく、あんまり他所の作品では見られないドタバタを見る事ができると。
ありそうであまり聞かないですよね、人の恋愛事情が見える主人公というのも。
恋愛に振り回される主人公というのはよく聞く話ですが、この主人公は人の恋愛までコントロールできてしまうので、一味も二味も違います。
そして何と言ってもですね。やはり、物語のひとつひとつが丁寧だと思うのですよね。
「○○の展開になったら、××になって欲しい」
そんな読者の期待を裏切らず、かといってありきたりでもなく、落とすべき所はきっちり落とす。その無駄のなさ。何やら納得の行く雰囲気。
これはポップにして硬派。ポップ硬派とでも名付けましょう。
ちょっとポップコーンみたいでいいですね。
上手い人はやっぱり、何を書いても上手いんだなあ……。
と、そんな事をですね、思わず考えてしまいます。といったところで。
後ですね、主人公の久留米タロウ。最初に見た時は、「えっ、君が主人公ですか……!」という感じの見た目なのですが、これが不思議なもので、段々かっこ良く見えてきます。いえ、本当に。
気が付いたらこれぞ! といった感じの主人公になっている所は、個人的には必見ではないかと。
前作とのギャップが強すぎて、どこかで見た名前だなあと思いつつ、記憶と結び付かなかったという思いがあるのですが……
やはりですね、私は確信を持ちましたよ。上手に作品を作る方というのはですね、どんなジャンルを書いても上手に作るのですね。
すごいなあ。
という事でですね、若干遅ればせながら、アニメになったら面白そうだなあ……などと考えている私が居る訳なのですが。
登場人物がはっきりしていてキャラ立ちも良いので、アニメ映えすると思うのですよね。テンポも悪くないし、人気が出るのではないかと……どうでしょう。感想は人それぞれでしょうけども。
そんな事をですね、若干にも妄想しつつ。
草葉の陰でもですね、密かに応援しておりますよ。
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