先日、とある方とお話していた時に聞いた言葉ではあるのですが。
「そろそろ、いい加減に仕事を辞めたいと思っている。今いる環境ではこれ以上の待遇は望めないだろうし、仕事にやりがいも感じていないから」
ふーむ……なるほど。確かに、そのような側面もあったのかもしれません。
しかしですね、ここは立ち止まって。今一度、少し自分自身についてですね、振り返ってみては如何でしょうか。
そんな彼は、社会人2年目のAさん(いつもAさんであるという事実)。今の仕事を始めてからすぐに給与待遇などの問題について何度も私に話しておりまして、その度に辞めたい、と申しておりました。
これにはですね、どうにも焦りのようなものがあるようなのです。
- 自分はこの会社にいても成長できない
- 誰からも信頼されていない
- 或いは、残業も多い
- もっと自分に合った職場を探したい
- etc...
なんだかですね、これが某お方ならば、「良いじゃんやめちまえYO!」といった発言が聞こえて来そうではあるのですが。いえ、誰とは言いませんが。
勿論、色々な考え方があるでしょうし、仕事を辞めたいという言葉について、どうこうとお話させて頂く事はございません。
しかしながらですね、もしも転職について、ただ「会社を辞めたい」と、ここで言葉が止まってしまうようであれば。私は、『一旦立ち止まってみては如何でしょうか』といったお話をさせて頂く事にしております。
それにはですね、一応浅慮ながら、私なりの考え方があるものです。
再就職。それは何とも心地良い響きではあります。これまでの自分を捨てて、新たなステージへと飛躍するのだと。やはり、求めているのは自由ではないか。
『仕事を辞めたい』→『別の場所に行きたい』といった目的にはですね、影を潜め、漠然と存在している『欲求』が含まれていると、私は考えているのですが。
それは、給与待遇。
それは、社内の人間関係。
それは、残業時間。
そして、何よりも自由であると。
再就職を狙うからには、それはキャリアアップ……と書くと少し大袈裟にも見えますが、今いる環境をより良くしよう、という事であると、私は考えております。
ならば、キャリアアップを狙う際に障害と成り得る事柄についても、理解した上で進めて行くべきなのではないか。
いえ、お節介は承知の上で、ですね。
会社が『新社会人』に求める人材と、『中途採用』に求める人材は違う。
まずですね、多くの方は学生を卒業して、そこから会社に就職する事になるのではないかと思います。そうした時に、就職希望者の学生様はですね、これは『新社会人』という人材にカテゴライズされていますよね。
多くの企業が就職経験の無い新社会人の方に求める内容はですね、これはいかに『仕事に対して誠実であり』『将来性があるか』。主に、こういった内容になるのではないか。
そうするとですね、売り込む内容を大まかに言えば、これは『自分自身の将来性』になると思うのですね。今現在がどうだというお話は、もういっその事、後でも構いませんよと。勿論優秀であるに越したことはありませんが、社会に出てから伸びる方は沢山いらっしゃいますので。
ところがですね、これが中途採用である、となると、ひとたび事情が変わってしまうのです。
会社が中途採用を求める理由は、これは『今現在、会社の戦力になる人間を引き抜いてくる』という事が目的になります。
勿論ですね、若いという事であればある程度、新卒のような目で見て頂ける事もあるでしょうとは思いますが。それでも、新社会人とは少し違う目で見られると思うのです。
そうした時に、仕事のスキルとして売り込む事のできる要素がなければ、どこの会社にも採用されない日々が続くかもしれません。
そうだとすれば今現在、『キャリアアップ』は達成されそうでしょうか?
……勿論、この問い掛けが「YES! 私は売り込む要素が沢山あります!」となる方もいらっしゃると思います。そういった方は、どんどん仕事を辞めて、新たな世界へと羽ばたいて頂きたい。
しかし、「いや、そういう意味ではちょっと……」と思う方は、踏み止まる選択肢がある事も、忘れてはならないのではないか。
振り上げた拳は、殴りさえしなければ喧嘩には発展しないのですから。
今いる会社は、自分にとってどのような立ち位置なのか。
また、会社を辞めたいと仰っている方に事情を伺うとですね、これは思った以上に、漠然とした答えが返って来る事が多いな、と感じます。曰く、給料が安いから。
曰く、人間関係が自分に合っていないから。
曰く、このままでは駄目だと感じるから。
勿論、そのような側面もあるのだろう、とは存じます。
しかしながら、そのように感情的な事はさて置いてですね。今、仕事を辞める事が、本当に自分にとってメリットになっているのかどうか。そのような視点で考えてみましょう。
何故ならば、これらの要素はですね。再就職したとして、改善が保証されている事柄ではないからなのです。
やはり、既に自分の行き先が決まっている場合などですね。自分のキャリアアップが保証されている場合には、これは転職OK! 次に進もうぜ! といった所だと思います。
しかしながら、ただ仕事を辞めて、これから仕事を探しましょう。そういう事であれば、下手をすれば自分が今よりも悪い環境で働く事になってしまう。そのような可能性もあるのですよね。
そこで、会社に残るべきか? 離職し、新たな地を求めるべきか?
足りない事は承知ですが、YES・NOの差し引きとして、幾つかのポイントを用意させて頂きました。
ざっと、見て行きたいと思います。
○給料が安い
健康で文化的な生活(なんだか生活保護みたいになってしまいますが)を送るために、必要な賃金は頂いているでしょうか。
それは、自分の生活スタイルを改めれば解決する問題でしょうか。それとも、生活上どうしても必要な資金が手に入っていないのでしょうか。
○人間関係が合っていない
どのような方がいて、それは仕事をする上で支障の出る問題でしょうか。
自分にできる解決策はありませんか。
相手を一人の人間として認め、認められた上での問題だということであれば、じっくり話し合う余地があれば、解決可能かもしれませんね。
○このままでは駄目だと感じる
自分が成長するために、どのような改善・企画を実行していますか。それは仕事に遮られるものでしょうか。
会社そのものは、自分のスキルを勝手に引き上げてはくれないものです。
また、自分が成長するために必要な時間が、労働時間以外に確保できていますか。
厳しい残業でそういった時間が取れないという事であれば、検討の対象になると考えております。
これらを総括して考えた結果、「よし、転職しよう!」ならば、それはOK! だと思います。
逆に、「そんな事は考えた事もなかった……」という事であれば、どうでしょう。再考してみるというのも、ひとつの選択肢になるのではないでしょうか。
結局の所、会社の待遇と自分の立ち位置というものは、相関関係が無いようである事も、やはりあると。
そうした時に、自分自身がより認められる・価値の高い人間となる為にはですね。会社は勝手に私達のスキルを押し上げてはくれないものですから、これは自分自身が成長する他にないと。
なんだ、結局自分次第かと。そのような事が、確かにあると思うのですね。
その自分自身の可能性が奪われてしまう職場環境なのか。成長の余地があるのであれば、やれるだけの事をやってからの転職、という可能性もひとつ、考えられるのではないか。
やはり、私はそのように考える所であります。
そんな中、私も一度、IT系の会社を離職してですね。今の立場になるまでに少しばかり、波乱はあったのですが。
前の職場環境はどうしても、私が成長できる環境では無かったのですよね。これは日々のルーチンワークをこなすという、言わば時間を資金に変える仕事であったと。
こうなると、貴重な時間が減ってしまうと。
無礼は承知の上で、しかし私はスキルを上げる仕事がしたいと。法人として、ビジネスを立ち上げたいのだと。そのように申し上げた所、皆一様にですね、口を揃えて「お前にはまだ早い」と言われてしまいまして。
当時、20歳でしたからね。まあ、当たり前ですよね。
その時の私はまだ若かったものですから、「人生で何かに挑戦する事において、早い・遅いという事など、ひとつもないと私は考えます」と言い放ち、次の職も決まっていないと言うのに、会社を飛び出しました。
やはり、言葉が悪く。その点につきましては、重ねてお詫び申し上げる所なのですが。離職したという行動についてはですね、私は正解だったと、今でも思っています。
どうにか、若くともそういった事のできる会社に再就職しまして。実際にビジネスを進化させていく様子を目の当たりにすると、やはり嬉しい。
あの時ビジネスについて本気で勉強した事は、私のかけがえのないモノになっていると。
文句を言っても仕方がない! 冷静に物事を見極めて対処していこう! 進めっ!
そういう事だと思います。
しかし、今でも勉強する事は尽きませんね。私としては、嬉しい限りです。
優しい世界にするために、日進月歩で努力して参りましょう!
お後がよろしいようで。
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