小学館 (2012-09-25)
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という事でですね、松本大洋先生の『ピンポン』のお話をしませんか。
こちら、タツノコプロでアニメ化された作品なのですが。なんと今、再放送をやっているのです。再放送を見てですね、ああ、やはりこの作品は凄まじいな、と。色々な意味で。
私はですね、この作品を見るとどうしても、胸が熱くなるのです。今回は、そのようなお話をさせて頂きたい。
やはり、卓球が大流行するきっかけになった作品でもあるのではないか。私はこの作品を見て、カットマンを始めた人間です。あれ、そうでしたっけ。
中学校時代の卓球部は、やたらと部員が多かったイメージがあります。
まあ、その中でも私は、最底辺の最底辺をうろうろしていましたが。いえ、確か最下位でしたね。懐かしい。
独特の絵柄と独特のテンポが織り成すコンビネーション。
まずですね、何しろこの作品はビッグコミックスピリッツ。大人向けな絵柄で大人向けな題材なものですから、中高生には少しアクが強過ぎて、中々手が伸びない作品にも成り得るのではないかと。何しろ私がまさに当時、そのように考えていたものですから。やはり、そう思う方もいらっしゃるのではないか、と思う所です。
しかしですね、ここで読まないというのは、やはりとてつもない損ではないのかと。題材が卓球で絵柄はコレ、うーん、となってしまうのは、やはり勿体ない事であると。私はですね、そのように感じるのです。
映画化もされ、アニメ化もされた作品。その地力の強さというものがですね、やはりあるのではないか。これは、重力の力であると。東京アンダーグラウンドではチェルシー・ローレックという登場人物が重力の力を操りましたが、やはりあれにも匹敵する何かなのではないか。
どういう意味ですかそれは。
……まあいいでしょう。(よくない)
この作品は、非常に力強く完成された、少年漫画の要素も兼ね備えているのではないかと思うのです。
だからこそ、若い世代に読んで頂きたいと。それは完結してから10年以上が経過した今でもまだ、全く衰えていないのではないか。
何しろ、1996年から1997年ですからね。おっと、10年所の騒ぎではありませんでしたね。既に、完結してから20年が経ってしまっている。
ならば、見劣りするのでしょうか? いえいえ、私はそうは思いませんよ。
完成度の高い作品というものはですね、例えばビートルズが未だに作品として輝きを失っていないように、いつまでも残り続けるものだと思うのです。ならば、この『ピンポン』にもですね、それだけの価値があるのだと。
むしろ、この絵柄でこの題材でなければ成立しない味というものがあると。それを是非、味わって頂きたいと。
ジョジョ、面白いですよね。例えるならばですね、あのような独特さがあります。
どうでしょう。
何と言っても、シーンの質。
この作品もですね、私は何度も読み返し……台詞ひとつひとつがこんなにも重くなる事があるのかと。そのように気付かされた一作だと思います。驚く程、無駄な台詞というものが無いのですね。どの台詞も何かしらの役割を持っていて、きちんと働いていると。そのような精巧さと言いますか、それがあるのではないかと。
だからこそ、ひとつひとつの台詞が非常に重い。重さというのは嫌になるという意味ではなく、じわりと染み込んでくるような深さがあるのです。
一見、ふざけたような台詞もですね。これは作品の魅力作りに、確かに貢献しているのではないか。
そのように思いますよ、といったところで。
そして、作品の殆どの部分で、誰かと誰かの感情がぶつかり合っていると。ぶつかり合うだけではなく、変化していく。これは作品が面白くなる、大事な要素ではないかと私は思うのですが。
この辺りに、単なるスポーツ漫画の熱さだけではなく、もはや美学まで感じてしまうと。
なんだこれは、と。芸術作品ではないかと。いや、芸術作品だと思うのですが。
そのような感動を覚えたものですよ。
特に、主人公であるペコとスマイル。この二人の関係性が非常に絶妙で、お互いがお互いを刺激し合って成長していく過程は、本当に美しいと。私もこんな話が書きたい!
おっと、話題が逸れまして。
何度も読み返してしまう程にですね、私はこの作品にそれだけの感動を味わいました。これを是非、皆様にも体感して頂ければと思う所です。
やはり。
私としてはですね、あまりスポーツ漫画に心を奪われる事は少なく。私自身がスポーツをあまりやらないからか、どこか遠くの視点で見てしまうのですよね。
そんな中でも楽しめたこの一作は、やはりスポーツ漫画を読まない方々にも力強くオススメできる一作ではないかと思うのです。
『青い春』『鉄コン筋クリート』と読んできましたが、この作品は松本大洋先生の作品群でも、ダントツに分かり易い。そこも魅力のひとつではないかと、やはり私は思いますよ、といったところで。
兎にも角にも私は、アニメの再放送をじっくりと味わってから、漫画に移りたいと思います。
お後がよろしいようで。
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