浮遊する無名作家の浅慮

『サツリクルート』という作品の面白さよ。【漫画レビュー】

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さて、最近愛読している『マンガワン』から、もうひとつ作品のレビューなどさせて頂ければなと思い、このようなものを書いております。

今回ご紹介させて頂きますのは、『サツリクルート』という漫画でございます。

これはですね、異能バトルものの作品なのですよ。

古今東西、異能バトルなるものはですね、漫画界、とくに少年漫画の歴史においてはですね。切っても切れない間柄、といったところで。

あっちでもこっちでも異能バトル、主人公は勿論敵も異能、猫も杓子も異能、ひいては斉木楠雄も異能ではないか。

失礼、これは超能力ギャグ漫画でしたね。

しかしながら、この『サツリクルート』。

もう異能バトルは飽きたよ! ……という方々にもですね、大いにおすすめさせていただける一作なのではないかと思い。

今回はぜひ、この作品の魅力について語らせて頂けますでしょうか。





まず、設定がすごい。

この作品の何がすごいのかと言いますと、まず1つ言えるのはですね、その物語の凄まじさなのではないかと思うのですが。

ここから先はほんの少し、非常に若干のネタバレを含みます。

あらすじレベルのお話ではありますが、それさえも知りたくないという方には、この場でブラウザバックをおすすめさせて頂きたい。

良いですか?

それでは、上からいきましょう!

この作品はですね、まず『財閥』なるものが登場する所から始まります。

その世界に4組ある大富豪。それら財閥に支配されるようになった世界。財閥は多数の企業を抱えており、国の方針さえも企業が決めるように。完全に権利を企業が独占するような形になっておりました。

そのため、栄光ある未来を勝ち取る事が出来るのかどうかは、どれだけ価値の高い企業に所属できるようになるかが勝負だと言うのです。そのため、学生達はそれぞれ切磋琢磨し、就職試験に望んでいると。

これが、『リクルート』。

そんな中で立場ある人間だった主人公は、ひょんなことから転落人生を送るようになり、最底辺から就職活動をする事になってしまいます。

そこで、悪魔を名乗る存在から、就職面接に有利な能力を与えられると。

悪魔の能力は様々で、就職面接の場に限らず発動する事ができるようになります。……ところが、能力を得た代わりに待っているのは、『就職試験に落ちれば死ぬ』というペナルティ。

当然、主人公の他にも悪魔から能力を得た人間が居ます。それらと対峙する時には、就職面接はデスゲームになってしまう、というものです。

これが、『サツリク』。

『サツリク』『リクルート』で、『サツリクルート』。面白いタイトルですよね。

そんな設定が大好物の私は、思わずこの漫画にのめり込んでしまいましたよ。



登場人物の魅力がやはりすごい。

そのような設定から始まる物語な訳ですから、当然登場人物にも魅力のあるキャラクターが勢揃いしております。

まず、主人公からしてすごい。『鋼の錬金術師』では、主人公のエドワード・エルクリックが『最初からレベル100で、好きなものは金と名誉』という、およそ主人公らしくない性格をしておりましたが、本作もそれに引けを取りません。

主人公は最初から立場ある人間だった、という事もあり、完全に支配者気質。利用されるのは大嫌い、俺は支配する側の人間なんだ、と信じて疑いません。

でもね、これがまたかわいいんですよ。

かわいいって、どういう事でしょうか。

支配者気質は確かにそうなのですが、主人公は『価値を提供した者に、それ相応の利益を』というモットーを掲げているという事があり、ただの悪質な支配者ではないと。

経営者としての側面を持っていて、心優しい一面もあります。

その主人公の男前さに惚れて、集まって来る登場人物達。それにドヤ顔をする主人公、という図。

どうですか、少しかわいくないですか。

そう思うのは私だけでしょうか。

やはりですね。このように尖った性格をしているキャラクターが集うというのが、私はどうも好きなようです。

他のキャラクターも、主人公に負けず劣らず濃い面々ばかり。

これは、異能バトルものに必要なひとつのテーマ。ひいては、アイデンティティにも成り得るのではないでしょうか。





……ということで、今回は『サツリクルート』をおすすめさせて頂きましたが。

わりと読み返しても面白い内容だと思いますので、単行本を買って読んでみるというのもですね、ひとつの手段ではないかと思います。

『マンガワン』はですね、一度読んだページを開くのにもライフを使用してしまいますので、少し都合が悪いのですよね。

その辺り、単行本を購入する事によって改善されるのではないかと思いつつ。

あ、私は別に『マンガワン』の回し者ではありませんよ。

お後がよろしいようで。




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