小学館 (2016-02-12)
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という事で、今回はビッグコミックスから、秀良子先生の『ロメオがライバル』をご紹介させて頂ければなと。
私ですね、この漫画を一目見た時には荒川弘先生の『銀の匙』に雰囲気が似ているなあ、などと考えていたのですが。中身を読んでみたらですね、これは全然違いましたね。
男(引きこもり)×女(クール)×俺様(馬)(……馬!?)
という、三角関係でした。
何を言っているのか分からねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった……
なんと言うか、これはですね。他に類を見ない作品なのではないかと。
面白いかつまらないかで言えば、超おもしろいと思います。
私は。
主人公から感じる、そこはかとない『既視感』。
これですよこれこれ、そうこれ。引きこもりという肩書を持っているにも関わらず超アクティブな引きこもり系主人公が沢山活躍している昨今、引きこもりと言えばやはりこれ。と思わず言ってしまいたくなる程に、引きこもりの描写がリアルだと私は感じさせられてしまいました。
何しろ、私も引きこもりだった時代がありますので。もう髪の毛とか、まさにこれ。切るのが面倒+人の目を見たくない+部屋に閉じこもっているので、もう大体こういう髪型になるのではないか。
長い事人と接することのない時間を過ごしているとですね、人と話すのが怖くなってしまうのですよね。従って、頭の中で悶々としている時間が非常に長くなってしまうと。この感覚にですね、私は非常に『既視感』なるものを覚えるのですよね。
そして、共感せざるを得ない。
それだけだと暗い作品になってしまいそうですが、この主人公が『無理矢理働きに出る』という要素があるおかげで、非常に話のテンポが良くなっているのではないか。やはり、この『非アクティブ系男子』としてのキャラクターの強さが、うまい具合に活かされている。
どのようなキャラクターもですね、やはりうまく配置する事ができれば、きちんと活躍するものなのですね。この作品からは、そういった配置の上手さというものを強く感じさせられました。
しかも、対面に立つキャラクターは『クール系』。このどちらも喋らない組み合わせは、一見すると面白い掛け合いからは遠いのではないかと思われてしまいそうですが、ここが見事に表現されている。
唐辛子は確かに辛いけれど、担々麺には黒ゴマを混ぜる事で、独特の美味しさが表現できる的なそれではないか。
とにかく、世界観からストーリーからキャラクターから、登場人物がユニークすぎるなと。
固有スキルではないかと。
私はこんな話は大好物ですよ、ええ。
やりたくない。うまくいかない。から始まるモノ。
そしてこの主人公がですね、ストーリー上様々な初体験に飛び込んで行かざるを得なくなる訳なのですが。その度に現れてくる感情がですね、これはかなりリアルなのではないか。私が同じ状態でこの出来事を受けたら、やはり同じ反応をしてしまうのではないか、と思わせる程にはリアルではないかと。
それだけにですね、主人公はある意味『うざい』とも取られてしまいがちかもしれないのですが、これがどうして憎めない。
だって、そうなるでしょう。インターネットに四六時中繋がっていて、それ以外の交流を求めない状態で……ある日、その生活の全てを断たれてしまったら。
まるで気分は、南国の孤島に一人取り残された時のようですよ。
それが余す所なく再現されている所に、私は驚きを隠せません。そんな中、主人公を社会に戻らせるために発生したアイデアが、『牧場で働かせる』だったと。
この、社会復帰VS引きこもり、両名の試行錯誤が堪りませんね。
これは物語が走り出した序盤の部分ではあるのですが……
「パソコンは一階にあるから」
「いや、自分の……」
「自分のって(笑)」
のやり取りに、私は思わず笑ってしまった、というところで。でもね、私も多分こうなると思いましたよ。インターネットにひたすらかじりついていた過去、このような画期的出会いを成し遂げたと言うのであれば。
きっと私の場合はもっと情けなくて、馬の世話なんてできない。
どうでもいい話ですが、私は『ロメオ』が何なのか途中までさっぱり分からず、「ロミオではないか」という謎の勘違いをしていましたが、ロメオというのは馬の名前でした。
いや、ある意味ロメオこそがロミオかも分からない。
最近ですね、このようなのんびりとした漫画に癒されるようになって来て、ますます私もこのままで良いのだろうか、等と考えてしまう所なのですが。
やはり、漫画にも癒しが求められる時代なのではないか。
主人公からヒロインから、かなり異色の取り合わせではないかと思うのですが。物語がうまく転がっていく様は必見ではないかとさえ思えます。
私もですね、このようにほのぼのとしたお話を面白く書けるようになってみたいものですね。
お後がよろしいようで。
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