浮遊する無名作家の浅慮

よし。顔を描こう。

よし。顔を描こう。

という訳で、個々の顔パーツなるものを練習し、いざ本番へ。以前まで練習してきた顔のモデルに対し、顔パーツを貼り付けて行きましょう、といったところで。

やはりですね、顔パーツの位置については、これまで散々判子絵を描き続けて来た恩恵と言いますか、若干でもまるで絵を描かない方よりはですね、位置についての理解度が深いのではないかと自称しております。ふふふ。

これでも私は、年端も行かぬ頃からお絵描きを趣味としている身です。ならば、ここで実力を見せ付けずにいつ見せ付けると言うのか。

レディース・アンド・ジェントルメン。それでは、ご覧ください。私が時間をかけて作り出した、本気の『リアル顔』がこちらになります……!!

顔?
……見せ付けられたわー。

見せ付けられたわー、実力。

悪い方に。

気持ちの整理に、小一時間程を必要としました。




 猛省する。

そこでですね、私は考えました。

やはり、自分の努力と経験など、他者にとってみれば取るに足らないものでしかないのだと。

世の中にはもっとできる人など星の数ほどおりまして、その中で自分のポジションなどというものはですね、これはちっとも誇るに値しないものなのです。

悔い改めよ……!!

しかし、そういえば私はですね、これまでのイラスト人生の中で、模写なるものは殆どして来なかったのですね。モデルのあるものを描き写すという事にですね、あまり興味が湧かなかった、という事がありまして。

厳密に言えば、紙を上に乗せて模写する……トレスはやったことがあるのですが。見て真似る、いわゆる目トレなるものは、全く縁が無かった訳です。

私が模写をするものと言えば、背景材料に必要な無機物ばかり。

という事は、やはり私はリアル顔に対する理解度はゼロ。今こそ知識を身に付け、努力をし始めましょうよ、という時期なのではないか。

兎にも角にもですね、このように人の顔を描きましょうよ、というレクチャーサイトはある訳なのです。模写は追々やって行くとして、まずは何度もこの方法でですね、様々な角度から人の顔なるものを描いて行く必要があるのではないかと。

やはり、立体への理解度を高める為にはですね、頭の中で考えながら、様々な角度から見える形というものを追い掛けて行かなければならないのでは。

という事で、とりあえず不細工だどうだという話は抜きにして、顔をいっぱい描いてみました。

顔がいっぱい

怖いですね。

しかし、確かに目などもですね、写真を見ながら描いてみる事で、幾らか形に対する理解度が上がったような気がいたします。

案ずるより産むが易しと言いますが、やはり産む前には案じてしまうものではないでしょうか。

この調子で、どんどんと顔を描いていきましょう。



 困った時は一度立ち返り、その角度の顔パーツから描き直してみる。

描いて行くと、次第に困る事も出て来ました。

「口の形って、この角度の場合はどうなるんだろう……?」

「見上げている顔の筈なのに、見上げているように見えないのは……顔パーツの位置がおかしいからだ」

理解度を深めて行っている実感があり、少しばかり楽しいですね。

見上げるオッサン

こうして見ると、顔だけでも角度によって様々な表情があると言いますか。顔パーツもこだわり始めると、1つとして同じ顔は無いようにも思えます。なるほど、これは現実世界でも、同じ顔というものは中々存在しないのだという、ひとつの裏付けになるのではないか。

しかしですね。何度も描いていると、次第にある事実に気が付いてしまいました。

「これは、飽きる……」

元々、絵を描くのが下手であるが故にですね。上手く描けない事や立ち止まる事があるたびに、モチベーションが下がって行ってしまうのですよね。これはいけない。

やはり、何事においてもスタートが最も厳しく辛い。出来るようになってくると楽しい事も、できない内はつまらないという、ひとつの事実なのではないか。

それはつまり、つまらない内はまだ本当にそれを理解していないだけなのだという事でもある訳なのですが。難しいジレンマでございます。

やがてハードルが上がって行けばですね。後で作品を見返した時に、「ふふふ、やはり上手い」と思える日が来るかもしれないのでは。

……来たらいいなあ。

そのような未来を目指して、頑張って行きましょう。






ところで、そろそろ写真の模写にも挑戦してみようと考えた私ではあるのですが、写真というとですね、一体何をモデルにしたら良いのか迷ってしまう、といったところで。

悩んだ末、嫁様に相談したところ、やはりグラビアなどが最も最適ではないか、という結論に達しまして。

恐らく、グラビアの模写を始める事になるのではないか。

という事で、手始めに一枚、描いてみる事にいたしました。大丈夫、これまでの道程を越えて来た私なら、きっと見事な模写が出来る筈なのでは……!!

顔? 2

一時間後、私が目にしたのは――……エクソシストに近い、何かの姿だった。



では次回、改めて全身に戻りたいと思います。



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リアルな顔パーツを追求して、より人間らしさを求める。


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