集英社 (2014-12-25)
売り上げランキング: 68,962
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やはり今回はですね、クイーンズコミックスから、水城せとな先生の『脳内ポイズンベリー』を紹介させて頂かなければならないのではないかと思い。
私はにわかファンだったものですから、この方の作品は『失恋ショコラティエ』位しか知らなかったのですが。今回改めてですね、これは読んでみたいのではないかと。
そう思い読み始めてみた所、これは驚きが隠せません。
やはり、この水城せとな先生というのは天才ではないか。
もう一度言います。
天才ではないか。
そう思わせるに至った経緯をですね、これは敬意を込めて、お話させて頂かなければならないのではと思い。
と、今回はそのようなお話でございます。
タイトルからでは想像し難かった、ストーリーの部分。
そもそもこの作品をこれまで読んでいなかった理由としてですね、私はやはり、タイトルから一体どのようなお話になるのか、想像も付かなかったという事がありまして。だって、『脳内ポイズンベリー』ですよ。これは一体何であろうか。そこはかとなくセンスの良さを感じるものの、一体どのように良さそうかと言えばですね、これがよく分からない。
本を手に取った時、思わず頭の上にクエスチョンマークが出現する可能性もございますと。
私のようにですね、タイトルからストーリーを連想したいという方のために、最近は文章によるタイトルというものが流行したのではないか、などと考えなくもないのですが。やはりですね、これは単に、私の感性が切れているだけなのでは。
つまり、読んでもいないのに『エア理解』で作品を読み始めたくないという、妙な現象が発生していたのです。
ぐだぐだ言っていないで読んでみなさいよ、といったところで。
実際に読んでみた所ですね、これが面白いもので。主人公の脳内には、『理論派』『感情派』『記憶担当』『子供』などの様々なキャラクターがひしめき合っており、彼等が脳内であれこれと会議を繰り広げる事によって、主人公の意思が決定しているのだと、そういうお話なのです。
これがやばいくらい面白い。
やはり、天才ではないか。
会議をしながら決定権を得つつも、時には我武者羅に行動してしまう脳内キャラクターによって、いきなり感情が爆発してしまう事もあると。いや、実に人間の感情というものが融通のきかないものであるかといった事が、とてもよく表現されている。
そしてですね。なんと言っても、やはり。
なんと言ってもやはり、これは面白いのではないかと。
出来の悪い食レポみたいになってますが、大丈夫でしょうか。
パニックを起こしている時は、それぞれのキャラクターがワイワイと家族会議のように話し合いますので、実際には何も言えずに時が経っていたりですね。思わずフリーズしてしまう時には、今度は誰も何も言えなくなってしまうと。
この様子が見ていて飽きない上、本編のストーリーとマッチしているのですね。
やはり、脳内ポイズンベリーとはこういう事ではないか。
その上で、実際に起こる『本編』。
もうこれだけでも読む価値アリではないかと。アリアリではないかと、私は思わず考えてしまった、という所なのですが。やはり重要なのはですね、これらの脳内キャラクターが会議をするに至るための『本編』。これではないか。
やはり少女漫画に分類されると思いますので、恋愛関係のストーリーが主題になっている、という事はありますが。これがですね、やはり非常によく出来ていると思うのですね。
何がと言いますと、先の展開を中々予測させてはくれないと。いやいや、どうせこうなるでしょと。あれっ、といった具合に。
『失恋ショコラティエ』の時も思いましたが、この作者様はですね、読者を飽きさせないストーリーというものに対してのセンスが良いと言いますか、熟練度が素晴らしいと言いますか。
とにかく、「えっ、この先どうなるの?」といった展開がですね、色々な所で現れてくる。
私はもう、これが好きで好きで。読んでいて飽きないという要素は沢山ありますが、どうやら私にはかなり相性が良かったみたいですね。思わず、ストーリーを分解してみたくなってしまう程に。
という事でですね。一冊読んで、「えっ、面白い。次も読みたい」となってしまい、これがループしてしまうという現象が起こる。
買う→読む→読み耽る→読み終わる→買う。
kyyyk。
むしろ、気分はイノセンスではないか。
こうして見ると、連載作品もですね。議題発生→展開→波乱→期待の幕引き、といった黄金の構図を利用する事が、いかに大事であるのかという。
それを個々のシーン・まとまったストーリーとして作っていく事が、どれだけ大切であるのかという。
そのような事を、改めて考えさせられてしまいました。
という事でですね。私としましては、少女漫画だからと毛嫌いせず。男性の方にもですね、是非一度、お手に取って頂きたい。
あまり読まれない方には『少女漫画』と一括りにされてしまいがちですが、実際は実に多様なテーマがあり。これも作品であれば、あれも作品であると。皆違って皆良いとは言いますが、そのような可能性を秘めているのではないか。
それを通してですね、新たなジャンルへの抵抗というものが和らぎ、色々な作品が楽しめるようになると良いのではないか、と思う所ではあるのですが。
それにしても、このようなお話は私、初めて見ました。読んでいると言う程漫画作品を読んでいないので、もしかしたら他の作品にも似たようなテーマがあるかもしれないのですが。
もっと知識を深めて行かなければ……!!
……あ、この漫画を読んでいて、個人的にヒットした単語は『ビッチ記念日』でした。
お後がよろしいようで。
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