浮遊する無名作家の浅慮

長編ストーリーにおける、『転換期』について。

小説のプロットに関しての閑話休題。

ところで、今書いている小説の、本当にくだらない話をしても良いでしょうか。

私が今書いている『(前略)あまりもの冒険譚!』なのですが。これはようやく12章も終盤に漕ぎ着けようかといった所でですね、次回からはまた新たなプロットに差し替わる、転換のポイントなのでございます。

転換のポイントというのはですね、例えばそれは、ニセコイに3人目のヒロインが登場する瞬間ですとか、神風怪盗ジャンヌでフィンが悪役に転じる瞬間のようなポイントだったりする訳なのですが。これがどうにも、腰の重い作業でして。

その手前の章がですね、準備の段階の時は、全く問題は無いのですね。最大の問題は、一頻り盛り上がってしまった物語の次の話をさてどうしようか、という事なのです。

思えばかの有名なドラゴンボールでも、ピッコロ大魔王編が終わってからの次の話というのは、中々に難しそうでしたね。新たな設定を導入し、前の設定をこねくり回し、そして新しい物語へと転じていくという。

やはりこれは、連載作品ならではの難しさではないか。


 何故、転換期は難しいのか。

様々な連載作品の中、最も読者が離れて行きやすいのがですね、この転換のポイントになると思っているのですが。

ここには、色々な問題が発生すると思うのですね。

1.新しい設定を登場させざるを得ない。
物語に予め必要な内容だったとしても、『それを受け入れられるかどうか』といった事がネックになる。例えば仲間の登場なら、新しいメンバーに共感できるかどうか。

それまでのメンバーとの絡みをどうしていくのかを慎重に検討するのは良いが、それでも付いていける、いけないといった問題が発生する。

2.ストーリーが再びゼロに戻る。
盛り上がっている最中というのは、物語のスピードが最高潮に達する瞬間。それを終えてまた元のテンションに戻ってくるので、読者はだるく感じてしまいがち。

だけど、かといってテンションを上げ続ける展開になれば、どこかで激しい展開の連続に無理が来て、結局離れていってしまう。

3.プロットを仕込むのが面倒。
手前の回までで解決させたような気になってしまい、改めて新しい話を考えるのが億劫。また、伏線を広げざるを得ないので回収までの間、覚えていないといけない。よく伏線回収ミスが起こる。

新しくプロットを立てなければならないのに、前の設定は引き継いで行かなければならない。キャラクターの印象が変わってはいけないし、キャラクタ同士の関係性も引き継いで行かなければならない。

……以上の事から、物語の転換期というのは最もめんど……難しいのではないかと、私は考えているのですが。



 転換期のプロットを、どのようにして解決するのか。

これはですね、結局の所は初心に帰って、自分が何故そのお話を考えていたのか、というところで。その物語にどのような魅力があるのかという事を、自問自答。再度投げ掛ける事によって、プロットの本質というものを見出す以外には無いのではないか、と思うのですね。

結局の所、転換期で読者の方が離れて行くのはある程度、仕方がないという。新しい物語を面白く面白くと意識して行けば、自ずと結果は付いて来るのではないか。

などと、別段結果が出ていない身でですね、考えてみる事は考えてみるのですが。

いや、それにしてもですね。やはり、新たなプロットを考えるというは大変ですよね。

最も大変なのは、登場人物・世界観を引き継ぐ、というところで。思考を完全フリーにして考える事ができるのであれば、正直どうとでもなりますし。それが出来ない事が、最も大きな障害なのではないか。

長編連載をしている作家の方々には、本当に頭が上がりません、といったところで。私はですね、やはりある程度の長さで物語を区切ってきた人間ですので。こういったアレンジには弱い可能性がありまして。

いや、そうは言っても連載を始めて、もうじき3年にはなるのですけれども。



しかし、こうして長い事作品を作り続けているとですね、もはや作らなければ気持ちが悪くなってしまうという、中々にジャンキーな事にもなってしまうようで。

電車の移動時間、喫茶店でのひととき、自宅、会社の休み時間などでさえも、暇さえあれば最近は小説を書いています。

これが明日の生活の支えになると言うのであれば、これはもう喜んで書かせて頂く、といった所なのですが……いや、中々難しいものですね。

やはり、喜んで書かせて頂きます。

やはり私は、当分はまだ無名作家として鍛錬を続ける以外に無さそうです。

お後がよろしいようで。


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