浮遊する無名作家の浅慮

絵がうまくなりたい。ならば、何をすべきだろうか。

絵がうまくなりたい。ならば、何をすべきだろうか。

誰しも一度は考える事ではないでしょうか。『絵がうまくなりたい』。

そんな私とて、やはりですね、絵が上手になりたいと心の底では強く願いつつも、実際には絵の才能なるものは、まるで欠けていたようでして。

小学校時代、学校の先生に『お前は絵の才能がない』とばっさり斬り捨てられたのは、今となっては懐かしい思い出でございます。

……と、今回はそのようなおはなし。



 絵は下手ですか? 好きですか?

まあ、これって絵に限った話ではないのですけども。

粘土・彫刻でも言われましたし、音楽のセンスが切れているというのはですね、これはなんと実の父親から言われてしまいましたし、小説に至っては当時、部活動をやっていた顧問の先生から『こいつに小説家を目指させてはいけない』とまで言われて育って来てしまいました。

作れば作るほど、非難の連続。思わず耳を塞いでしまいたくなる言葉も、何度も頂いて来ました。

ところで私、どうでもいい話かもしれませんが、ツンデレは結構好きです。

そのようにですね、私という人間は、芸術関係においては誰もが『センスが切れている』と信じて疑わない。そのような人間なのです。

なんと正直、私自身も信じて疑っておりません。えっ。

やはり私は、芸術のセンスが完全に切れているのではないか。

のにも関わらず、芸術畑の最底辺で奮闘し続けて20年以上が過ぎてしまったという、中々に残念な人間ではあるのですが。

何故、これだけ叩かれ続けても作り続けるのでしょうか。

やっぱり、好きだからではないでしょうか。

自分が理想とするものを作りたい。できればその作り上げた理想を、人に共感して頂きたい。

そう思っているからだと思うのですよね。

例え出来上がったものが、理想とは程遠い、夏休みの自由研究レベルの代物であったとしても。

そんな訳で、どれだけ描きまくっても、絵が上達しない私はありますが。やはり、どうしても絵を上達させたいという思いもまた、あるのではないか。

パースが取れなくて風景画を諦め、デッサンが狂ってしまって漫画イラストを諦め、ペンを持つと手が震える。それでも、熱く煮えたぎる心の底で想うのです。


絵がうまくなりたい……!!


あれ、そんなにイラストレーターを目指していましたっけ。うふふ。

さて、そんな私が最近描いていた絵が、こちらになります。

グレンオード・バーンズキッド
今書いている小説の主人公。ってこれ、日付を見てみたら2016年の5月だ。

上手だと思うでしょうか。まだまだだと思うでしょうか。下手だと思うでしょうか。

見た方の絵のスキルによって変動するのではないか、とは思いますが。

つい先日、4コママンガを描こうとしてですね。やはりさっぱり出来ない自分に腹が立ち、私は遂にですね、腹を括りました。

もうズルはしませんよ、と。

……えっ? ズルなんですか? イラストを描く事において、ズルができるんですか?

私は、ここで知らなかった方々には衝撃の一言になるであろう言葉をお送りしたい。

できます。

いえ、こう言うと語弊があるかもしれません。ある程度、可能です。『超・ド下手』から、『……ふーん。まあ良いんじゃない?』と思わせる位のレベルに底上げする事は、できます。まさに私がして来ました。

ということで、私がもうズルをしないために、この場で私が今までどうやって絵でズルをしてきたのか。

……そのような話を、させて頂きたい。

※良い子は真似してはいけません。悪い子は……ようこそ、張りぼてクラブへ。


 キャラクターが描きたいんです。でも、何度描いてもデッサンが狂っちゃうんです。

私自身、本気で絵を描こうとしてですね。特に好きだった、あのマンガイラストのようなキャラクター達についてはですね。これは、なんとしても描けるようになってみたいのだと。

そう思い、孤軍奮闘していた時期もありました。

ところがですね、これは何度やってもデッサンが狂ってしまうのですね。私の個人的には、正しい顔の形を描いているつもりなのです。ところが、鏡に見せてみるとですね、明らかに目の大きさと位置が合っていない。

もはやこれは、初代ポケモン赤緑のプクリンではないかという。気になる方は『ポケモン 初代 プクリン』でgoogle画像検索してみてください。きっと可愛いイラストが発見できるはずです。

指の長さがなんか変だとか、この身体、胴が無いんじゃないかとか、眉毛描き忘れただとか。

いえ、眉毛はさすがにありませんでしたが。ちなみにクリリンに鼻がないのはデッサンが狂っている訳ではありません。クリリンには公式で鼻がない設定なんです。

最強の地球人、クリリン(鼻不在)。

少し話が逸れましたが。

そのような訳で、狂ってしまうデッサンを気にして、中々絵が描けない私です。やはり、これは解決するべき問題なのではないか。

これは、なんとかしなければ……!

そこで私は、思いました。

「その絵が完成する工程はもはやどうでもよく、大切なのは結果ではないか」

大丈夫かこの人、と思ったあなたはきっと、まともな方です。どうかその綺麗な心を大切にして頂きたい。

さて。デッサンが狂ってしまうという事であれば、デッサンが絶対に狂わないようにすれば良いのではないか。

そう思った私は、このようなフリーソフトを発見して来ました。

『デザインドール』の公式HP

『デザインドール』のアプリ画面
こんな感じ。フリーソフトです。
これを使うとですね、自由なポーズで人物のモデルを画像出力する事ができるのです。

それを下地に大きさを変えて、半透明にして上からラフを描けば、誰にも悟られずに『絵が上手いフリ』をすることができます。

デッサンなんて狂いようがありません。だって、描く前から線は決まっているんです。

やはりこれは、模試におけるカンニングに近い行為ではないか。

複雑なポーズも自由自在! これであなたもイラストレーターの仲間入り……ですか?

いえ、そこまでは無理かもしれません。

そして、この方法を使う事による問題というのが幾つか、ありましてですね。

ドールの下地を基にしてキャラクターの線を決めるので、まずドールの作成とポーズにどえらい時間が掛かるという事と。

マンガのように、素早くキャラクターを描きたい時にはですね。コマごとにポーズを取って画像出力して、コマ割り切って貼り付けてラフ描いて……なんて恐ろしい手間、やってられないという問題が。

まあつまり結局のところ、模写の域を出ないという事なんですよね、この方法は。



 背景が描きたいんです。でも、パースが取れないんです。

さて、次は背景ですね。背景は少し難しい。

まず、ごまかす手法としてはですね、模様などを使うことによって、「ああ、このイラストはそういうデザインなんだな」と思わせる事ができます。

模様の作り方は、例えばPhotoshopであれば『Photoshop 背景 模様』なんて検索すると、それっぽい模様の作り方が出てきます。

でも、私はちゃんとした背景が良いんですよ、というあなた。

まずですね、写真を撮りに行ってください。

そして、『Photoshop 写真 水彩風』などと検索すると、写真をあたかもイラストのように見せる加工方法というものがでてきます。

これをキャラクターの奥に貼ってしまおう、という作戦な訳ですね。

少し進んだ使い方としては、写真を基にパスで線を引けば、パースがおかしいという事は少なくともなくなります。

私のような外道はですね、何かしらの動画を観るじゃないですか。気になった背景を発見したら、それをiPhoneでパチリしてですね。Photoshopに取り込んだら、半透明にして上からパスを引き直す、という。

わあ、綺麗!

……もういいですね。



 ズルを やめたい。

そして私は、気付きました。

こんな事ばかりやっているから、私はいつまで経ってもイラストが上達しないのではないか。

遂に、こんな事を考えるようになった訳です。

だからセンスが切れてるとか言われるのではないか。

結局、地の力が上達するための訓練というものをですね、ここ最近はまるでしていないのではないか。

どうにかして良く見せる事だけを頑張っているようでは、永遠にまともなイラストレーターになどなれる訳がない、かもしれません。

一歩ずつでも良いから、ちゃんと物体の構造を把握してですね。それを描くスキルというものを、会得していかなければならないのではないか、という。

そのような結論に辿り着いたのであります。

小説だって書くためには、ちゃんとした下地の技術が必要でした。それが無ければ、結局できることは人のパクりだけだという事に気付いたのです。

何故小説はゼロから技術を身につけようと努力していたのに、絵はパクる事ばかり考えていたのか。

またしても私は、面倒臭くなってしまったのではないか、という。



……という訳で、これから少しずつでもですね、絵を上達させる努力というものをですね、していきたいという所存でございます。

しかし、これを始めるとですね。最初は恐らく、とてつもなく拙いものになると思うのです。

それでも、私はやってみたいと。

ということで、どこかで私のイラストを発見したら、どうか笑ってやって頂きたい。

下手だと認識されることで、それが負けじという、明日の努力に繋がるという事も、やはりあるのではないか。

ねぶぁぎぶあっぷ。為せば成るという、私の好きな言葉を持ってですね。

私は明日を生きるためのスキルというものを、身に付けていきたい。

お後がよろしいようで。



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絵を上達させる事を、本気出して考えてみた。

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