集英社 (2016-06-17)
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いつものように書店を巡っていると、そんな単語が目に入りまして。写真を撮っておけば良かった。
こちら、『恋染紅葉』でジャンプに連載していた、ミウラタダヒロ先生の作品なのですが。
いやー、すごいですね。ジャンプでラブコメってあんまりイメージが無いんですけれども、実はいつも、枠がひとつはあるんですよね。これは、少年漫画としてのジャンプもたまには本領発揮しなければならないという、ひとつの意志の現れなのかと思っておりました。
そういえば、『ニセコイ』という単語もよく聞きますし。それと同じくらい、千葉県のYさんという単語をよく聞きますが。
やはりこれは、少年だからといって恋を忘れてはならないと。恋といえば少女漫画のようなイメージがある昨今、少年だって心に花を咲かせてですね、これは見事な花畑を作るべきではないのかと。
そんな『ゆらぎ荘の幽奈さん』ですが、大変遅ればせながら、私も一読させて頂きました。
いや、実を言うと『恋染紅葉』時代から、大変繊細で美しい絵を描かれる方だなあ、とは思っていたのですが。まさかそれをまいっちんぐ方向に爆発させてしまうとは。
まいっちんぐ方向ってなんだ。
オムニバス形式としての面白さ。
私は今の所この作品、物語の本筋に触れる部分は極力控えてですね。登場人物の関係を少しずつ明かしながら、コメディとしての短い話をやっていくことで、少しずつ本筋を見せて行く作品なのだろうなと。今の所、そのように予想している所なのですが。
この方式は、本筋一本の物語が多い週刊少年ジャンプでは少しばかり珍しいかもしれませんが、実はラブコメディとしては随分前から使われていた方法である、ということで。
やはりですね。この長さにはこの長さとしての、お話の面白さというものがあるよなあ、と思うばかりです。オムニバス形式としての面白さと言うのでしょうか。
……と、そうは言いながらもやはり、本筋の物語はありますのでご安心を。実は設定が謎だらけで、いつ解き明かされるのかとても楽しみでございます。
ということで、個々の話は基本的に、完結型ではあるのですが。それはとても完成されていて、読んだ後にほっこりするお話が多いのです。それはやはり、この作品の完成度というものを物語っているように感じます。
やはり、読んでいて飽きが来ないようになっているのではないでしょうか。
食べ続ければ、噛めば噛むほど味が出る。スルメのような作品へと昇華されていくのではないだろうかと。今現在は、そのような事を思っております。
いえ、イカ娘の話がしたい訳ではなくてですね。
そして、物語の要所要所に出て来るまいっちんぐ的なシーンについては、やはりこれはプロの所業と言いますか、うまく妄想が掻き立てられるように出来ているのではないかと言いますか。
ディアナを発見した時のルシウス・モデストゥスのようにですね、月夜に輝く女神を発見した時のような、それは目の潰されるような想いに駆られること間違い無し、といった所です。
あ、目の覚めるような、でしたね。
1巻よりも2巻。2巻よりも3巻。
さて、このようなテイストで描かれた作品ではあるのですが。おそらく最も重要な点として、物語が進むごとに、より面白さが増している、という一面があるのではないかと。
1巻で止めてしまっては勿体ないです。特に主人公のコガラシ君などは、話が進めば進むほど良い男になっていきます。
登場人物が皆明るく、先に進むほど高感度が上がって行く、というのが良いですよね。
また、前述の『物語一本あたりの長さ』もまた、キャラクターの魅力に貢献しているな、と感じます。
本筋一本調子の漫画が途中で面白く無くなってしまうのは……ドラマが成立しないシーンがどこかで発生し、それがずるずると後に引いてしまう事があるからだと。そのように感じるのですが。
その面から見てみますと、この作品は短い調子でお話が切られていきますので、「これから少し厳しいのでは」、と思うことが無いのですよね。
なので、毎回キャラクターの魅力がリセットされる。特に、良い部分ばかりが残って行く、という好循環が、この作品では発生しているのではないかなと。そのように感じております。
素敵なループ。
実際、個人的な感想を申し上げますと、1巻の時点では、そこまでの絶大な破壊力を見出す事は出来なかったのですが。2巻、3巻と読み進めるにつれて、ああ、やはりこの作品は面白いのだな、と感じさせられました。
性に合わないと感じることがあってもですね、これは先を読んでみる価値もあると思うところで。
やはりこれは、良いのではないかと。
おわりに。
ということで、私としてはこれを、ラブコメという枠に据えるべきでないかと思い。一昨年から始めていたラブコメ強化週間ということで、今後も読んでいく作品のひとつに加えたいと思っているのですが。
ところで一体何週間、強化週間をやるつもりなのでしょうか。筋トレですか。
これは単に、ラブコメが好きなだけではないのでしょうか。
ラブコメ、面白いですよねえ……。
お後がよろしいようで。
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