杉野 幹人
ダイヤモンド社
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さて、その日もいつものように、「何か良い本は無いかなあ」と探していた私だったのですが、今回はとある記事から、こちらの本がよろしいという事で。
今後の人生の参考になればと、一冊読んでみる事に決めました。
その名も、『超・箇条書き』。
まだ私が文章を書き始めた頃、『文章を書くための本』というものは、如何せん矛盾を感じてしまい、あまり読む気にはなりませんでした。
だって、本を書くための本って、何だか不思議な響きがあるじゃあないですか。まるで、美味しいプリンを作るために、美味しいプリンを食べるみたいな。……あれ。意外と普通ですね。
文武両道なマッチョ国語教師になるために、文武両道なマッチョ国語教師を食べるみたいな。
そう、そのような、不思議な感じがしていたものです。
ところが今では、この認識は改めております。
そう思うのは、文章を書く技術というものもまた、世の中にある沢山の技術のうち、ひとつの技術として存在しており。それは、文字や言葉や恥ずかしいポエムによって、世界に届ける事が出来るのですね。
そう考えると、それが本になっているという事もまた、別段不思議ではないという、ひとつの事実に辿り着くことができる訳です。
世の中にある沢山の技術は、およそ一般的に、文字や言葉や恥ずかしいポエムによって、世界中の方々に届ける事ができます。
そして、その(前略)恥ずかしいポエムによって、世界中の方々が技術を共有する事ができるのですね。
これって、素晴らしい事だと思いませんか。
というわけで、『超・箇条書き』というこちらの本の、素晴らしい箇条書き手法について、お話させて頂きたいと思います。
ただ、文章を並べただけでは『箇条書き』とは呼ばない。そんな問い掛け。
さて、この本は箇条書きの有効性と、その実際の活用法について述べられた本です。箇条書きというと、とある要素を抜き出して、縦に並べたもの……という認識がありますね。
プレゼンテーションなどでも、よく見掛ける事があります。
たまにセミナーなどでは、パワーポイントのスライドが箇条書きばかりになっていて、むしろ重要なポイントはどこなのかと問い掛けてしまいたくなるようなプレゼンテーションも、ちらほらと見掛けますね。
ポイントを挙げ過ぎた結果、ポイントが森に埋もれてしまうような。ほら、よくデパートなんかではポイントカードを作るじゃないですか。
ポイントカードを作り過ぎた結果、カードが多すぎて財布に入らなくて、結局入れないで買い物に来たら、その入れなかったポイントカードが必要だったという。
そんな事もありますよね。
この本では、そのような『箇条書き』についての問題を解決するために、次の3つのポイントについて意識すると良いよ、といったような事が書いてあります。
あ、ポイントと言ってもポイントカードの話ではないですよ。
- 構造にする
- ストーリー性を持たせる
- メッセージ性を持たせる
やはり箇条書きのプロであるためか、本の中に登場する箇条書きもシンプルで美しいものになっております。
少しばかり、そのような事も考えてしまいますが。
何故、『超・箇条書き』が有効な本なのか。
さて、この本では実際に、それら3つのポイントについて、一体何を意識すれば達成できるのかという事が書いてある訳なのですが。例えば、構造にする時というのは、同じレベル感のある項目を横にまとめて、ツリー状に枝葉分けしていく事で、複雑な箇条書きを理解可能なものにすると良い、などということが書いてあります。
そのような内容が複数に渡りまとまっているので、非常に分かり易いものになっているのですが。
実は、プレゼンテーションをやった事のある方にとっては、何度か目にする事も散見されると思うんですね。
どの位の散見レベルかと言いますと、例えば行きつけのコンビニエンスストアがあったとするじゃないですか。
毎日コンビニに通っていると、やがて「あ、あのレジの人は前にも見た事のある人だ……」となり、やがて「あ、あのレジのサカモっちゃん、今日はポニーテールじゃないんだなー」などと、若干ストーカーめいた事を考えてしまう。
頻度で言うと、その位の散見レベル感と言いますか。
なので、「なんだよ、こんな事は分かってるよ」と思う事もあるかもしれないのですけどね。
それでも、是非その知っている部分については読み飛ばしてでも、最後まで目を通して頂きたいな、と思うのですよね。
どうしてかと言いますと、これは「知らない部分もあり、その知らない部分が最も重要な項目となる可能性があるから」なんですね。
書く技術というものは、実に様々な手法がありますが、追い掛けて行くと多くの場合、ちょうど上記3つのポイントに絞られてくる事が多いように感じます。
そこで、この3つのポイントが達成されていると、最も受け手=メッセージを受け取る人にとっては、理解しやすい内容になるのではないかな、と思うのです。
逆に、どれかが欠けてしまうと、途端に伝わり辛いものになってしまう恐れがあります。
百聞は一見に如かずということで、以下の文を見て頂きたいなと思うのですが。
ピーターは、高速でヒゲダンスをしてうねりを伴いながらきりもみ回転した結果、スーパースターになった。
この文は、『ピーターは』『高速でヒゲダンスをしてうねりを伴いながらきりもみ回転した結果』『スーパースターになった』という、3つの要素に分解することができます。
この時、どれかひとつでも欠けてしまうと、全く意味の分からない文になってしまいますよね。
高速でヒゲダンスをしてうねりを伴いながらきりもみ回転した結果、スーパースターになった。 ←誰が?
ピーターは、スーパースターになった。 ←どうやって?
ピーターは、高速でヒゲダンスをしてうねりを伴いながらきりもみ回転した結果 ←どうなったのか?
『超・箇条書き』で説明されている内容というのは、ちょうどこの、箇条書きで人に何かを説明するに当たり、最も重要な骨組みの部分について説明されている本だ、と感じるのですね。
様々なシーンで応用できる。
これらの『構造にする』『ストーリーにする』『メッセージを持たせる』という3つのポイントは、何も箇条書きではなくとも、人に何かを伝えるに当たり、重要なポイントに成り得るのではないか。そう、私は理解しております。
それを達成するための様々な手法について書かれていらっしゃいますので、これは知らない部分を積極的に吸収して、理解するべき本ではないかと思うのですね。
そうしても、損はないだろうと。
明日、昼食のランチをいつもよりも豪華にしようとして、銀座で寿司を食べようと決意した結果、電車で片道一時間も掛かってしまい、お昼休憩の時間以内に戻れなくて、会社・学校に遅刻してしまう。
そんな贅沢も結構だとは思いますが、その分の数千円をちょっと我慢して、この本に注ぎ込んでも良いのではないのかな、と私は思うのです。
という訳で、『超・箇条書き』について説明させて頂きましたが。
思えば私も学生の頃、悩んでいた一つのテーマについて、箇条書きにして吟味していたのを覚えています。
テーマ:何故、自分には彼女ができないのか。
- もしかして、実は見た目が悪い人だと思われているから。
- もしかして、実は頭が悪い人だと思われているから。
- もしかして、実はまだ人だと思われていないから。
- もしかして、実はペキン原人だと思われているから。
- もしかして、実はペキン源三(芸名)だと思われているから。
このような事にならない為にも、この本の購読について、一考の余地はあるのではないでしょうか。
お後がよろしいようで。
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