浮遊する無名作家の浅慮

セブンの『ハートの生チョコまん』に隠された情熱。

セブンの『ハートの生チョコまん』に隠された情熱。


先日ですね、どうにもこれは靴が合わないということで、某靴屋さんに相談しに行った私なのですが。

そこでは中敷きをその人に合わせてオリジナルで作ってくれるという、なんともナイスなサービスをトスしてくれるお店なのです。

まあ中敷きの話は別の記事にでも書くとして、その帰りにですね、私はセブンイレブンに寄る機会があったのですね。

そこで、何やら珍しそうなものを発見。

それがこの、『ハートの生チョコまん』なる代物でございます。

何やらおいしそうではありませんか。

やはりコンビニ肉まんを買い漁るというB級グルメの私としてはですね、これはもはやB級ではなくB+級ではないかと思えるような、素晴らしきアイテムではないかと思いまして。

え? 微妙な変化だって? そんな馬鹿な。

だって、中華まんがハート型なんですよ。これはですね、ハートキャッチプリキュアもびっくりという位に、私の心をハートキャッチですよ。


 ということで、『ハートの生チョコまん』を買ってみた。

しかし、この中華まんが好きな男子を根こそぎラリアットで粉砕するようなネーミングセンス。これをバレンタインで渡されたら、百年の恋も一瞬で『一万年と二千年前から愛してる』と言ってしまいそうな濃厚ボディ。

やはりこれは、私が買うに相応しいアイテムなのではないか、ということで。

コンビニ店員のお姉さんに、中華まんのケースを指さしながら注文する私。

「あっ、……あっ、……あの、……は、ハートの生……チョコまん、ひとつ……ください」

「はぁ? なんですか?」

「はっ、はぁとの、生チョコまん……」

確かに、心揺さぶられる品ではありました。しかしですね、もう少しだけ、注文しても恥ずかしくないネーミングにして頂きたい。

これはあれですね、中学時代に少女漫画のコーナーが男子禁制に見えて仕方がなく、しかし買って読みたい少女漫画がある! と息巻いて本屋に来たは良いものの、少女漫画のコーナー横で右往左往仁王立ちした時のような気持ち。

まるで心は俺物語。大和より猛男の方が可愛いのではないかという。

勿論実際にはこのような会話はなく、靴屋帰りに少し得意気な顔で

「ハートの生チョコまんひとつください(ドヤァ……)」

という感じだったのですけどね。


 『ハートの生チョコまん』を、実際に食してみる。

という事で、手に入れてしまいました、『ハートの生チョコまん』。

いつも通りの紙に包まれて、中華まんをゲットです。いえ、紙に包まれたのは私ではなく中華まんなのですが。

心ドキドキ、気分ワクワク。といった具合に、私は早速、コンビニ袋から中華まんを取り出しました。

セブンイレブンの外で、冷たい寒気に指を震わせながらも、心はまるでホットココアを飲んだ時のように暖かい。

そして、ハートの生チョコまんを手にした時の温もり。

思わず、心ときめく私です。

心臓を鷲掴みにされたと言いますが、まさにこれはそのような状況なのではないか。だってこれは、ハートなのですよ。私は今、何者かのハートを鷲掴みにしている。

男を虜にしたければ、まず胃袋を掴め。胃袋を掴む為にハートを差し出すというのは、またこれは斬新な発想なのではないか。

そんな期待値MAXコーヒーな状況から、早速『ハートの生チョコまん』を開けてみる私。

さあ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。これがセブンイレブン渾身の期間限定特別企画、『ハートの生チョコまん』でございます!

ハートの生チョコまん 画像



私は思いました。

もはや お尻にしか 見えない と。

少し考えれば当たり前だったんですが、正直これは予想していませんでしたよ私は。

そりゃそうだ。ハート型なんだから、開けたらまず目に飛び込んでくるのはお尻ではないか。

てっきり私は、ハート型の中華まんを食べられるような気がしていたのです。しかし、こうやって開けてみるとやはりこれは、どう見てもお尻ではないか。

ワーオ。



 思わぬ可愛らしさとの 遭遇。

ちょっとこれは、食べるのは気が引けるかも。そんな事を少しだけ考えもしつつ、やはり必要なのは度胸です。

見えていない部分を合わせてハートなのです。そうでしょう、大切なのは外見ではない。ほんのり温かくそして甘い、大人のビターチョコレートのような優しさ。それこそが、心意気なのではないか。

そう。私は今、心意気を食べるのです。ならば、躊躇する訳には行きますまい……!!

いざ、一口……!!

ハートの生チョコまん 断面図


あっづっ!!

あっづぁっ!! えっふんっ!! ちょ、待、熱あぁぁぁっ!!

えっちょっと待ってなんでこんなに熱いのこれ!? 外側ふっくら温かい程度だったじゃん!! 赤ちゃんの素肌みたいでしょう? とか、ちょっと微笑ましい感じだったじゃないですかあアァァァ!!

食べてみると、遭遇したのは未知なる情熱。ほんのりとした温かさの裏に隠された、濃厚でぐつぐつとした職人達の技術の証でした。

薄れゆく意識の中、私は思いました。

こ、これが、愛か――――…………。

訳)中身はとても熱いことがあるので、注意しましょう。







そして気になる味なのですが、これはチョコレートが好きな方にはぴったりだと思えるようで、甘くて大変美味しかったです。

ホットチョコレートやホットココアが好きなあなたにオススメ。そう、今こそ私達もハートの生チョコまんを食べるべきではないでしょうか。

中華まんの変わり種が食べられるのは冬季だけです。これを機会に、他の変わり種を再び試してみたくなる私なのでした。

あと、口を火傷しました。その点についてはご注意ください。

お後がよろしいようで。


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