浮遊する無名作家の浅慮

コメダ珈琲のモーニングなら、おぐらトーストが食べられる。

コメダ珈琲のモーニングなら、おぐらトーストが食べられる。


さて、時は去ること2016年の12月。
とある用事で出張をしていた私は、上司の方とですね、仕事を終えてホテルで別れまして、翌日の約束をしておりました。

「じゃあ、明日は朝8時に、ホテル前のコメダ珈琲で」

コメダ珈琲なんて久しぶりです。最近では、それまで一般的なチェーン店であった『ドトール』や『スターバックス』のコンセプトとは違い、まるで個人でやっているお店のような、居心地の良い喫茶店も増えてきておりますね。

勿論、その分他のチェーン店に比べると高めの値段設定になってしまうのですが、これはこれで味があるといいますか、むしろ所謂老舗のそれに近いのではないかと。

老舗と言えば、何故か私はいつもくさやを思い出してしまうのですが。その、強烈な悪臭の中に確かに存在するうまみと言いますか。食べれば食べるほど、やみつきになってしまう味と言いますか。

納豆を食わず嫌いしている方は多いかもしれませんが、ここはひとつ、『値段が高いから』という理由でブラウザバックならぬ喫茶店バック、または喫茶店バック宙返りをしてしまっている方には、是非おすすめしたいものがありまして。

このコメダ珈琲店、朝はモーニングセットなるものをやっておりまして、コーヒーと一緒にトーストが食べられるようになっているんですね。

そして、そのトーストへのトッピングとして、『名古屋名物おぐらあん』を付ける事ができるのですよ。


 名古屋名物おぐらあん。

おぐらあんと言いましてもですね、これは小倉さんが焼肉安々へと旅立つ、という意味ではございません。
トーストにトッピングするものとして、以下三種類の中からひとつ選ぶ事ができる、といった内容でして。
  • ゆでたまご
  • 手作りたまごペースト
  • 名古屋名物おぐらあん
どうでしょうか。明らかに違和感がありませんか、『名古屋名物おぐらあん』。
何故上記二つは卵なのに、強いて言うならば、それは『ぐでたま』かもしれないのに、最後だけ豆なのでしょうか。
ここだけ、さやえんどうスナック意識なのでしょうか。

ポリンキーのCMには、「三角形の秘密はね……教えてあげないよ、ジャン」という謳い文句があることで有名ですが、これはコメダ珈琲で言う所の、『モーニングセットの七不思議』に当たるのではないかと。

これはたった今私が作った、有名な不思議の話ではないでしょうか。

不思議の国のコメダ。

あ、七不思議と言ってもですね、1~6まではありません。

その時の私は目が輝いていたのではないかと思います。何しろ、このコメダ珈琲店のモーニングセットをひと目見た瞬間、『名古屋名物おぐらあん』なるものを発見いたしまして。

もはやこれは私が注文させて頂くために存在しているのではないかとさえ、思ってしまった位ですから。

学生時代、登校途中に毎日歩行しながらあずきバーを食べていたのは、伊達ではありません。それはやがて歩くあずきバーと呼ばれ、もはやあずきが好きすぎて、ミスター・アズキと、どこぞのドーナツ屋さんのようなあだ名を付けられてしまいました。

ミスター・アンコでも別に良かったのですが、少し可愛らし過ぎるので、採用はためらわれました。

ミスターなのに、語尾に子が付くという。もはやこれは、男の娘なのではないか。


 おぐらあんを食べてみる。

ということで、詳しくはコメダ珈琲店の公式ホームページなどにお任せさせて頂きまして、私としましてはですね、これは名古屋名物名古屋コーチ……おぐらあんを頼むしかないと思い。

実際に、頼んでみましたよ。




いやー、頼んでおいて何なんですが、良いんでしょうか、私などという人間が、このような贅沢な行為をしてしまっても。
その贅沢さたるや、誕生日に手袋をねだっていたのに、親が買って来てくれたのは超合金ロケットパンチャーだった時の衝撃に等しいですよ。

いや、そんなものを頂いた事は無いのですけどね。

パンに塗ってみると、これは予めパンにマーガリンが塗られているのでしょうね、マーガリンおぐらトーストになるよ、という事のようで。
そういえば、コンビニなどで購入できるコッペパンにも、おぐらマーガリンなるものが入っていたりしますよね。これは、その時の感覚に近いのではないか。

しかしながら、このトーストは思わず顔がほころぶ程にサックサク。やはり、贅沢度が違いますね。

例えるならば、カフェオレを注文したら、おぐらマーガリンが入っていた時の感覚に近いのではないか。

誰だ入れた奴。神か。といった感想のような。

ちなみに、コーヒー+小豆というのは、『小豆小町』というタイトルで、こちらもコメダ珈琲店のメニューにありますので、よろしければどうぞ。美味しいですよ。

一口含むと、これは香ばしいおぐらあんのかほり。今日もこれから仕事だと言うのに、何故か朝の8時などという時間から、私は日本酒を飲みながら温泉に浸っている時のような幸福感に満たされました。

むしろ、おぐらあんとは温泉ではないか。

店内もとても静かです。さて、今日はどのような展開で仕事を進めさせて頂こうかと、ついでにプライベートで進めていることも着々と前に進めさせて頂こうかと。

この静けさならば、ミスタードリラーもびっくりするほどススム君なのではないか。

そう思えるほどに店内は落ち着いていて、やはりこれはコメダ珈琲店が目指すところの、『街のリビングルーム』と呼ぶに相応しいのではないかと。

そこにテレビはありませんでしたが、朝から新聞を置いてくれるささやかな気配りの中に、リビングルーム的な要素が満たされているのではないか。

むしろ、リビングルームとはコメダ珈琲店のことではないか。

そのような結論に至りました。



さて、そんな事を考えるほどに時間があった訳なのですが。ふと気が付けば、向かい側に待ち合わせしていた上司の方が、いつの間にか参上されておりまして。

と言いますのも、「少し遅れる」というメールを頂いていたので、先に入っていたのです。

確かメールを頂いたのは8時少し前だったと思うのですが。その時起きた、とも聞いていたような気がするのですが。
コメダで再会した時刻が、8時15分。

これは、凄まじい速さ。速さと言えばワンパンマンのサイタマ君が超人的な速さで有名ですが、彼のあまりの速さは、反復横跳びによって達成されたものだそうで。

ということは、おそらくこの速さもまた、反復横跳びではないか。

なるほど。つまり上司とは、反復横跳びの事を言うのではないか。

今日からあなたも反復横跳び! キュートで爽やかな笑顔の上司になるために、2本のラインでレッツ・ダンシング・サムライ!

何を考えているんだ私は。

お後がよろしいようで。



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