浮遊する無名作家の浅慮

バスって雪だるま式に遅延するから大変ですよね。

バスって雪だるま式に遅延するから大変ですよね。



その日は少し会社に遅れてしまいそうな気配があったもので、これはどうにかならないかと。家の玄関扉を閉めた瞬間、私は考えました。

走ったらギリギリ、電車に間に合うかもしれない。でも、全力ダッシュで走らないと、きっと間に合わないし、もしかしたら全力ダッシュしても間に合わないかもしれない。

私は某爆走兄弟のように、ミニ四駆と一緒なら無限に走れる体力を持っている訳でもなければ、耳のない猫型ロボットに助けて貰える訳でもないもので、一体これはどうしたものかと、頭を悩ませておりました。

そこで、私は思い立ったのです。

そうだ、バスを使おう。

電車の最寄り駅までは15分程度の時間が掛かりますが、バス停であれば5~10分ほどで到着することができます。そして、今の時間ならバスが来るちょうどいい時間に、走れば絶対に間に合う。

バスに乗ることができれば、これは隣の駅まで行けるものでですね、急行との待ち合わせ時間を加味しても間に合うのではないだろうかと。

そのような事を考え、私はバスに乗ったという訳なのですが。

バス停に到着して時間を確認、まだまだ余裕で間に合います。少し早く来すぎてしまったくらい。

よし、これは余った5分ほどの時間でブログのネタでも考えようかなと考えていたところ、なんとその余った時間がブログの記事になってしまうとは思いもよらなんだ。

待ち合わせと言えば、遅れて来るのが定番ですね。彼氏とのデートでは、「ごめーん、待ったぁ?」をやりたいがためにわざと遅れる女性もいれば、「ヒーローは遅れて登場するものだ」という、時間に余裕がないヒーロー事情を明瞭に表した一言もある。

即ち、待ち合わせと言えば遅刻。遅刻と言えば、これは待ち合わせなのではないかと。

むしろ、待ち合わせとは遅刻なのではないか。

そのような事を考えていたところ、見事にバスが来ない。

これには参りました、遅刻に遅刻し過ぎていて、もう10分以上待ってもバスが来ない。次のバスが来る時刻になってしまいそうな気配です。

あまりにも来ないもので、まさかこれはもう来ないのではないかと。「きっと来る」と某歌手は歌いましたが、きっと来るはカットされるかもしれない。

キットカットもハブアブレイクしてくれないかもしれないと。

いや、ここはハブアキットカット。キットカットがハブにされる可能性もまた、あるのではないか。

そのような事を考えていたところ、ようやくバスが来まして。

するとですね、次なる問題が浮上する訳です。
いつもより、バスが混んでいる。



 雪だるま式に増える、バスの乗客。

少し考えれば分かる事だったのですが、バスが遅延すればするほど、バスの乗客というものは増えていくんですよね。

時間が掛かれば掛かるほど、その間にバス停に来る人は増えていく。これはまさに、目的を共にした運命共同体、といった具合に。

そうして、目的を共にした運命共同体は、同じバスに乗る事になります。

しかし、人数が増えれば増えるほど、やはり乗降に時間が掛かるようになってしまうもので。ただでさえ遅れているバスは、更に遅刻の要因を増やす事になってしまうと。

つまり、バスにおける遅刻とは、必然に発生するカルマなのではないか。

アロマバスと言えばエッセンシャルオイルを使った入浴方法ですが、やはりこれはカルマバスなのではないか。

我々は同じバス停に申し合わせたかのように集まり、同じ時間を共にしている。そう、必ず私達は出会うのでしょう。おんなじガラス玉の内側の方から。

いや、もしかするとここは、お前そこの空席に鞄乗せてるんじゃないよと怒るべきなのでしょうか。

私は、そのように考えたわけです。

遅延が遅延を呼ぶ連鎖。ぷよぷよも18連鎖を過ぎた辺りから、かなりの熟練度と練習量を必要とする所業に変わってしまいますが、これはそのようなものであると。

むしろバスとはアルルではないか。

何を言っているのか分からなくなってまいりました。

次行きましょう。



 どうすれば、バスの遅延を防ぐことができるか。

そんな事を題材として思い付き、私は早速考えてみる事にいたしました。

「バス遅刻してて辛い」と終わらせてしまう事もできますが、カルマバスというのは遅刻におけるバス……いえ、遅刻というのはバスにおけるカルマということで。

やはりここは、広い心を持ってですね。どのような方法を持って、このバスにおけるカルマを攻略する事ができるのかと。

そのような発想を武器として、挑もうかという所存ではあるのです。

発想と言えばエジソン、彼は『なぜ成功しない人がいるかというと、それは考える努力をしないからだ』と説きました。

つまり、成功とは考える努力をすることかもしれないと。それをどのように解決できるかこそが、成功するための秘訣ではないかと。

さて、そのような事を考えていた手前、早速『バスはどのように時刻表を決めているのか』という疑問に辿り着きました。

バスの時刻表というのは、走る道を決めてですね、その道を実際に走行してみて、混雑状況などを加味した上で問題なく間に合う『であろう』時間を想定している、とのことです。

なので、やはり遅れてしまう可能性もあると。

この混雑状況というものをですね、もう少し混雑している想定で設定してみてはどうか。

そうは思ったのですが、そうするとバスはですね、予定よりも早く到着してしまうという事になってしまいますので、これはバス停で待ち合わせをしなければならなくなりますね。

そうすると、もしかして早く行ってしまったりですね。結局の所、バス停に来たのに時刻通りにバスが来ない可能性は消えないのではないかと気付きました。

やはり、時刻表とはプロが決めているものなので、それを長くしたところで、問題は解決しないのではないか。




そこまで考えて、「そうだ、整理券を配ろう。そうすれば、乗客に制限が掛かるので、時刻のずれを防げるかもしれない。

そのような、素晴らしいかもしれないひらめきに出会ったのですが。

そうすると、当然『整理券の都合上乗れない人』という方が出てしまいますので、これはバス停で待っていたのに乗れない、という現象が起きる事になってしまい。

せっかく待っていたのに乗客MAXで乗れなくて遅刻。そうなってしまうと、整理券とは一体何のためにあったのかと思えてしまうのではないか。

これでは、その人にとっては整理券が邪魔でしかないのではないか。

むしろここは、整理券の代わりにMAXコーヒーを配るべきではないか。

バスって難しいですね。

お後がよろしいようで。


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