仕事で怒られるのって、嫌ですよね。
感情的になると、頭で考える事ができなくなってしまうのが問題で……焦っている最中はちゃんとやっているつもりでも、冷静になってみると「なんでこんな事したんだろうなあ……」ということも。
最近そんな話題がよく出てくるので、今回は、そんな話をピックアップ。
よく仕事で怒られてしまう。
こちらは、とある人と話していて、実際に私が言われた話です。・新入社員A氏の意見
よく、会社で怒ってくる上司がいる。どうして怒られているのかも分からないし、指摘される内容も漠然としていて、直しようがないものばかり。 上司は管理職の立場で、新入社員A氏は現場の作業者らしい。中々、仕事がうまく行かない様子。
上司は現場の事をあまり理解していない。それなのに、あれやこれやと口を出してくる。勝手にスケジュールを変えてくる。
作業をしているのは自分達なので、作業中は正直、黙っていて欲しい。期限内には終わらせるつもり。
まあ本人の人柄がどうだったというのはさて置いて、ここで意識したいのは『上司が何故怒っているのかが分からない』というポイント。
こんな事、どうもよくあるみたいです。
上司の立場からしてみれば、言われている事も分からないようでは駄目でしょう、と思ってしまうかもしれませんが……まあまあ、ここは新入社員A氏の立場になって考えてみようではありませんか。
頻繁に怒られる人が共通して持っている問題だなあ、と思うのですが、『上司の指摘している内容がよく分からない or 共感できない』と本人が思っていて、それが解決できない事が結構あるみたいですね。
しかし、怒られているから聞くことができない。そうやって、殻に閉じこもってしまう傾向にあるようです。
中には、仕返しに嫌がらせをしてやった、なんていう話も聞きました……いやいや、それはちょっと大人の対応では無いと思いますよ。
どうも、『上司の説明の仕方が悪い』と思っていて、それじゃあ分かりっこないよ、と考えているみたいです。
後は、作業の優先順位について認識が食い違っている事などなど。
コミュニケーションのレベルが深く関係して来ますので、ケース・バイ・ケースだとは思うのですが……これでは、話が前に進みませんよね。
よく仕事で怒ってしまうのだが、相手に理解して貰えない。
ではここで、反対意見をピックアップしたいと思います。・とある上司B氏の意見
仕事に慣れてきて、部下を沢山抱える事になってしまったのだが、人によって話の理解度にかなり差がある。部下がやっている仕事の全てを作業レベルで見られる仕事量ではないので任せるしかないのだが、作業が放置されている事があり、その上報告もしない。これでは、仕事の進行度がまるで分からない。
スケジュールを管理するために報告を義務付けるようにしたのだが、『順調です』『やります』と言って、結果、終わらなかったことも。
何故終わらなかったのかも分からない。怒ると殻に閉じこもってしまい、余計にどうしようもない。
どうしたら良いのだろうか。
現場を管理する人は、やっぱり管理をする事が仕事なので、実際の作業工程までは把握していない場合が多いです。そういう意味では、確かにコミュニケーション上難しい部分もあるのかもしれない。
新人A氏が言っていた、『何を怒られているのかが分からない』という意見も、ここから来るのかもしれません。
でも、スケジュールを管理しているのは彼等(上司の立場)なので、無視してやらせてくれ! というのが通用するかというと、そうではない。
まあ上記二つの意見は、それぞれ別々のネットワークから得たサンプルなので、世の中にはこんな事が多数起こっているのではないかと想定せざるを得ないのですが。
上司の立場からしてみれば、部下が何をやっているのかが、はっきりと分からないから怒っている可能性もまた、あるんですよね。
それが勘違いを生み、更にまた別の勘違いを生み……と、両者のひずみが深くなってしまうと、良くない方向に進んでしまいます。
上司と部下のコミュニケーションで難しいところ。
会話ベースで書いてしまったので分かり難い部分もあったかと思うのですが、ここでの二人の意見というのは、それぞれ辻褄が合っていると言えば合っていて。- 新人A氏……作業をより早く前に進めるために、仕事は黙ってやらせて欲しい。
- 上司B氏……スケジュールを管理するために、途中経過でもいいから報告が欲しい。
とまあ、このようなバトルが行われている訳ですね。
この認識の不一致が解決されない、ということ。
それが、よく仕事で怒られてしまう人にはありがちだなあ、と思います。
一目瞭然で分かる作業なら、黙ってやれる仕事もあるのかもしれませんが、仕事の多くは考えなければ先に進められない仕事ばかりですよね。
そこで、『考えるのに集中させてくれ!』と言うのは勿論アリですが、一段落したら、途中でも良いから経過を報告してあげること。
これが大事なのかなと。
そうやってコミュニケーションの頻度を高めていく事も、両者の作業状況を把握する為には必要な事ではないかと思います。
※もちろん、無駄話をすれば良いという話ではありません。
『俺達が何をやっているのかも知らないくせに!』と思う新人の方は、では反対に、上司がどのような仕事を請け負っており、何が終わればそれが達成されるのか、という問題について、よく考えてみると答えが出るかもしれません。
例えば、スケジュール管理をしていく上で作業の優先度を変えなければならないというのは、作業者の立場で発生する問題ではなく、管理者だからこそ見える問題ですよね。
どちらの方が効率が良いのかは、話し合ってみないと解決できないかもしれないですよね。
それならば怒られる前に、先ずは報告をしてみる。
相手によって様々だとは思いますが、考える事を止めてしまわなければ、そんなアプローチが見えて来る可能性もまた、ある訳です。
上司もまた、『人』である。
よく怒られてしまうからなのか、「あいつは分かっていない」と上司の愚痴をこぼす若手社員によく出会います。反対に、「あいつはどうして心を開いてくれないのか、難しい」と言う上司の方とも話す機会が多い私なのですが。
「分かっていない」を呟く若手の多くは、上司のことをさも当然のように、仕事は100%完璧にこなす事ができて、物事に対しての説明や指示は的確で、語らなくても自分の事を理解してくれる上司像を描いている事が多いように感じます。
自分よりも長く仕事をしているなら、それくらい出来て当然だろと。実際に言われた事もあります。
ところが現実は、上司もまた、自分と同じ人間なんですよね。
同じように難しい仕事をこなし、その経験を持った上で、今度は『人を管理する』という一段上のステージに立っている人間。それ以外の何者でもなく、従って完璧超人では無いんですよ。
その部分について、もう少し理解が深まればな、と思います。
怒られてしまうと、まるで自分の人格が否定されてしまったかのように感じ、恨みをつらつらと述べる方も居ますが……怒られるということは、『本当はもっとうまく仕事がしたいのに』というアピールでもある訳です。
理解する気もなくて野次馬のように文句を言うだけの人も、居ないとは言いませんが。
そんな時、相手の立場に立って、「申し訳ありませんでした。具体的に、どう改善したら良いでしょうか?」と問い掛けられる人間でありたいものですね。
対人関係の問題とは、突き詰めていけば、相手の事が理解できないという点に終始します。
相手の事を理解する気がない=無関心、というのは既に縁が切れている状態ですが、感情をぶつけている内は、まだまだ相手の事を理解しようとしている可能性が高いです。
そんな時、こちらが理解する事を諦めてしまえば、もうそこから先には進めなくなります。
『怒られたから、あの人は難しい』と簡単に諦めてしまわずに、もう一歩踏み込んでみる勇気が……社会人になってからは、必要になるのかもしれませんね。
と、今回はこんなところで。
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