浮遊する無名作家の浅慮

NHKの戦略がすごい。『血糖値スパイク』は『隠れ糖尿病』だった。

NHKの戦略がすごい。『血糖値スパイク』は『隠れ糖尿病』だった。



最近NHK関連のニュースで話題になりましたね、『血糖値スパイク』

普通の糖尿病患者は、空腹時にも血糖値が高く、食事をするともっと高くなってしまいます。でも、じゃあ『空腹時』に血糖値が低ければ正常なの? という事が最近問題視されてきた、という内容でした。

食事をとると、炭水化物が吸収され、ブドウ糖となって血液中に出てくるので、食後の血糖値は食前よりも高くなります。 検査結果の判定早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上、または食後血糖値が200mg/dl以上であれば、糖尿病の疑いが濃厚です。 その場合はブドウ糖負荷試験(GTT)、併せて血中インスリン活性検査を行ないます。(wikipediaより)

日本の判定基準では、空腹時血糖値が110~115mg/dlからは『警戒』するべき時で、116~125mg/dlの場合は血液検査が必要だという事らしいです。

ところが、空腹時には血糖値が正常なのに、食後、少しの時間だけ急激に血糖値が上がる、という現象が発見された、と言うのです。
まるでスパイクのように血糖値が急激に上がり下がりするから、『血糖値スパイク』

だということなんですが…………実はこれ、ちょっと前から話されていた事だったみたいなんですよね。
それは、『隠れ糖尿病』



 隠れ糖尿病って?

症状は『血糖値スパイク』と全く同じで、食後急激に血糖値が上がり、その後正常に戻る、というものです。
これは糖尿病の初期に見られる症状で、まあ言ってしまえばこれも糖尿病の一種だった、ということです。一説によると、空腹時の血糖値が異常に該当するほど上がってしまう時は、既に糖尿病としてかなり進行している状態なんだとか。

この発見され難い段階でも安心せずに、健康には気を使って行きましょうね、という事なんですね。

そういう意味では、一昔前に流行ったペットボトル症候群なんかも相変わらず存在しているのでしょうから、これも同じ部類だと言っていいようです。
別名で、『グルコーススパイク』という名前も付いているんだとか。


つまり、ご飯やジュースなど、糖分の多いものばかりを摂取し続けてしまうと、糖尿病になるリスクが上がる。
その糖尿病になるまでの過程として、『血糖値スパイク』が存在する、とも言い換えられるようですね。


まさに、隠れ糖尿病。


隠れているから発見されにくい、という訳です。健康診断では、空腹時の血糖値しかチェックしませんからね。
これを、NHKでは『血糖値スパイク』と称して新たに注意を呼び掛けているのだそうです。



 名前を変える、という手段。

すごいなーと思ったのは、以前から『隠れ糖尿病』として周知されている情報なのにも関わらず、NHKがこれを『最新情報』として世の中に送り出した、ということ。
もちろん最新の情報は増えていたのでしょうけど、存在自体は大分前から分かっていた事で、どこかで聞いた事がある人も多かった筈なのですよ。

確かに、『隠れ糖尿病』よりも『血糖値スパイク』の方が、危険度が高そうに聞こえますよね。
『血』という文字が入っている分、『グルコーススパイク』よりも身近な問題に感じますからね。

世の中には、名前が普通だったが為に周知されなかった情報というものが、実に沢山あります。
その中では、『隠れ糖尿病』もまた、すぐに消え去ってしまう一つの情報だったのかもしれません。

だから、すごいなー、と思うのです。

NHKが『血糖値スパイク』についての危険を呼びかける事で、色々なブロガー達が『血糖値スパイク』についての情報を書くようになりました。
そして、『血糖値スパイク』というキーワードで検索して来る人達もまた、かなりの数増えたのでしょう。

これって、すごいことですよ。

やった事って、『名前を変えて同じ内容を報道した』に過ぎないのですから。



 気になる改善と対策。

そして、対策として報道された事も、以前から話に上がっていた事なんですよね。
それは、『食事の順番を野菜から食べる』ということ。

食物繊維から摂取する事によって、血糖値の吸収が抑えられます。空腹時にいきなり糖を摂取すれば飽きるまで身体が吸収してしまいますが、食物繊維から先に食べる事で、これを抑えましょうというわけ。

これもまた、だいぶ前から話題に上がっていた事ですよね。専門的な話題になる前から、「食事は野菜から食べましょう」って。

後は、ちゃんと運動する事ですね。規則正しい食生活をサポートするためには、規則正しい運動習慣もまた必要になります。
でも、やっぱりそれって、前から言われていた事だったんですよ。


では、何故、今それを危険視するようになったのか。
『NHKが名前を変えて、同じ内容を報道した』からですよね。


改めて、『名前って大事だよなあ』と思うのです。より直感的に納得できる方向へ、常に名前は変わっていくべきなのかもしれません。
そういう意味で言うと、筆者なんかは駄目ですね。ネーミングセンスが壊滅的で、名前が良ければもっと読んで貰えたかなあ、なんていう作品が沢山あります。

ああ、『マイナスイオン』なんかも凄い効果でしたよね。
本当はあれ、『負の電荷を帯びた分子の集合体』ですからね。


マイナスイオン(minus ion, negative air ion)は、大気中に存在する負の電荷を帯びた分子の集合体である。 主に空気中の過剰電子により化した大気分子の陰イオンを表す用語である。 大気電気学では、健康問題に関する際に負イオンをこのように呼ぶ。(wikipediaより)

陰イオン!!

『陰イオン』なんて言われて、これが身体に良いものだと誰が思うでしょうか。語感があまりに悪すぎるので、『マイナスイオン』という言葉が生まれた訳です(英語圏の人が聞いたら笑ってしまいそうだ)。

一部では、「今更『血糖値スパイク』なんていう名前を付けて祭り上げるなんて、不自然だ」という声も上がっているそうですが…………私はこの一件、NHKやるなあ、なんて感心してしまいました。

これは、『名前を変える』という戦略を用いて、有益な情報の拡散を狙うという、NHKの立派な戦略ですよ。


ネーミングセンスの壊滅的な筆者も、是非自分の作品に取り入れたい技術だと思うばかりです。

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