モノ書きあるあるシリーズ(?)です。
少し長い小説を書いている時なんかによく起こる事なんですが、今書いている小説が少し面倒になってしまった時、ふと浮気すると今書いている小説よりも良さげなアイデアが出て来てしまったりして、困る事ってありますよね。
今すぐにでも、この話を書きたい。今書いている小説は……どうしよう。
しかし、一度思い付いて作っているプロットがあるなら、まずはそれを書き切るべきであると私は思います。
モラル上とかそんな話ではなくて、作家の方へのメリットとデメリットを比較して、です。
今回はそんな題材をテーマに、どうして別の話に浮気すると勿体ないのかという問題を考えていきたいと思います。
『浮気性』で得られるメリット?
さて、ではまずメリットの方から考えていきたいと思います。今考えている話がある。でも、次に書きたい話を思い付いてしまった。この場合に、次の話にすぐ移行した場合のメリットについて考えてみましょう。
勿論、新しい話がホットな内に書ける、というメリットは確かにあります。物書きたるもの、書き出しのテンションというのはすごーく大事です。調子がノッている時はガンガン文章が思い付くのに、そうではない時には全くと言って良い程に書けない。これは、書いている人なら誰もが納得できるはず。
だから、思い付いた瞬間に取り掛かり始める、というのは間違いではないと思うのです。確かに、スタートダッシュは気持ちの良いものになると思います。
しかし、別の話に浮気した時に得られるメリットって、多分こんな所だと思います。
それを上回る程に、有り余るデメリットが出て来てしまうと思うんですよ。
『浮気性』で発生するデメリット
さて、少し考えただけでも思い付くのは、『別の話に取り掛かる事によって、今書いている話がそっちのけになること』です。これはつまり、完結させる前に別の話を書いてしまうという事なので、十中八九、前の話の執筆ペースは極端に落ちる事になります。
のほほんと書ける時に書く、というスタンスならそれでも良いかもしれませんが…………物書きが最もレベルアップする瞬間って、一度完結させた物語をもう一度洗い直して、良かった部分と駄目だった部分を洗い出す所にあると思うんですよね。
だからこそ、最初は長編よりも短編の方が、成長スピードが早いです。まあ、長編には長編の難しさがあるので、結局どちらもやっていかなければならないのですが……。
そして、前の作品が二度と書けなくなってしまう=エタってしまう危険性もあります。いや、これはかなり高くなります。断言しても良い位でしょう。
(エタるとは……別名エターナる。エターナル更新されないということで、つまり未完のままで続きが発表されなくなる現象のこと。)
完結してみなければ、作品の良し悪しって分からないものです。
つまり、今まで書いた前の話が、何と言っても自分の作品、資産にならないんです。これが最も大きい。
完結しなければ一つの作品としては未完成なままなので、もしこれが未完で捨てられてしまった場合、単純に費やした時間分が捨てられてしまうわけです。
長ければ長いほどもったいない。
これって、すごくデメリットですよね。
冒頭のメリットである、『スタートダッシュの気分が良い』という事を優先して、これらのデメリットを選ぶ必要は無いのではないか、と私は考えます。
また、いざ完結させた時には、自分がその作品に愛着を持つ事にもなります。
それでも、次の話が書きたいアナタに。
しかしながら、人間の感情というのは非常にコントロールし辛いものなので、幾ら自分が『いや、今は書いている話があるから駄目だ。今の話を完結させてからにしよう』と思っていたとしても、簡単に気持ちを切り替えて、再び前の作品を書く、というのは難しいものです。そんな時に、とてもオススメな方法があります。
それは、プロットを考える事を並行して行う、ということ。
作品のプロットって、本文とはバッティングしないんですよ。これはもう、完全に仕事が違う。既に完成している作品のプロットを文章に起こして文字を修正したりというのは、考える事が少ないので作業に寄りがちです。
だからこそ、続けるのが難しい。自分の中では完結している予定の話を、わざわざ文字に起こさなければならない苦痛がある。
この頭を使いたい欲求を、別作品のプロットに当ててしまおう、というのです。
プロットって、ちゃんと考えていくと一朝一夕なんかで出来るようなものではありません。だから、話が完成するまでにはとても長い時間が掛かります。(人による部分もあるのでしょうけども)。
どうせ、いつかは詰まってしまって考えないと先に進めないタイミングがやって来るのであれば、そこまで書いてしまって、自分の思いを出来る所まで形にしてしまえば良いんです。
そうすることで、詰まった時に前の作品へと戻り、両方の作品を前に進める事が可能になります。
これが、意外とやりやすいんですね。今でも文章に詰まった時にプロットを、プロットに詰まった時に文章を書くことで、相互に完成までのプロセスを短くする、という手法は、結構前から使っています。筆者の集中力が無いだけとも言う。
どうしても、という時に試してみてください。人間って面倒な事が嫌いなので、新しい作品のプロットに詰まった時って、意外と前の作品に戻って来られるものですよ。
あ、でも、くれぐれもプロットが完成したからといって、そのまま本文に進まないように……!!
小説って長くなるにつれて難しくなるものなので、冒頭を書く事と終盤を書く事では、倍以上労力が違うものなんです。
一度ハマってしまうと、もう作品を完結させられない病に陥ってしまいますよ。胆力付けていきましょう。
…………あ、この手法は、前の作品のプロットが既に完成している時にしか使えない、という事もご理解頂ければ幸いです。
まだプロット上も完結していない作品を放置することは…………まあ、想像だけでもすぐに分かりますよね。
勿論、一度それにハマった事があるのが私です。
カール・イグレシアス
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