浮遊する無名作家の浅慮

【漫画レビュー】こんな世界なら、誰でも幸せに生きて行けるだろうに。『はじめてのギャル』|(ラブコメ)★★★☆☆

はじめてのギャル(1)<はじめてのギャル> (角川コミックス・エース)
KADOKAWA / 角川書店 (2016-05-26)
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さて、最近あんまりマンガのレビューをしていなかったなあ、と思うので今回はこちら。
少年エースから、植野メグル先生の作品です。

内容は…………これはもう単純明快というのかシンプルイズベストというのか、ただの高校生が罰ゲームでギャルに告白をしたら、それがOKされてしまい…………と、そんな話。

もう本当にシンプルで、他に何も語る事がありません。別に特殊能力とか出て来ませんし、主人公はどちらかと言うとヘタレです。

そのヘタレな主人公が、所謂『犬系』のアホで、ギャルに振り回されて色々な妄想をしてしまう…………まあ、多くの場合はお約束で、現実にはならないんですが。

読んでいると、「ああ、人生って何も考えなくて良いんだな」という、素敵な気持ちにさせてくれます。

こんな世界なら、誰でも幸せに生きて行けるだろうに。というのは、今回のタイトルにもしてしまいましたが。
しかし、もう話の構造は一体これまでに何百回見ただろうかと思わせるほどシンプル、悪く言えばギャルがテーマというだけで他はありきたりなのに、会話のテンポが良いのとやる事が素直なせいか、純粋にラブコメディとして楽しめる所ではないでしょうか。

筆者は昨今のやり過ぎたエロコメより、余程楽しんで読めているような気がします。

あとまあ、主人公がこれはもう本当にバカなので和みますよね。(褒め言葉)
これは間違ってもイケメンにはなれないだろう、というド直球の三枚目っぷりは、見ていて全く飽きないです。

三枚目が主人公の話って、結構大事ですよ。最近はイケメン主人公ばっかりのような気がしますが、キャラクターは立つし、格好良い所は余計に格好良く見えるという利点があって。
ワンピースのウソップを見習って、もう少し三枚目主人公というものは世の中に登場するべきだと思います。

まあ、長く書いていくと、いつか格好良くなっちゃいますけどね。
成長しない主人公は面白くないし……という、三枚目主人公のジレンマ。

筆者個人の趣味で言えば、タイトルも特に引っ掛からなかったし、絵柄もそこまで好みという訳でもないし……という事で、ラブコメ研究をしてなければ通り過ぎていたであろう一作ですが……
予想外に面白くて、結局続きを読んでしまうという。

そうか。私もこの主人公に共感しているのかもしれない。

いや、やはり人間はバカであるべきなのですよ。



満足度:B(75%)★★★☆☆

※評価は一読者としての私的な見解として、レビューに価値を持たせる為に付加しています。作品の面白さは人によって差が出る事、何卒ご了承ください。






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