浮遊する無名作家の浅慮

『未来に先回りする思考法』という、すごい本があってね。

未来に先回りする思考法
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という訳で、株式会社メタップスの代表取締役社長、佐藤航陽氏の書く『未来に先回りする思考法』という本を読みました。
私の個人的な見解としては、これは現代社会人の必読書と言ってもいいくらいの良書だと思うのです。

しかし、一方ではあんまり使えないなあ、と思った方も多いのではないか、と考えています。
何故かと言うと、まだ来てもいない未来の話を延々と続けているだけではないのか、とも読めるからです。

まあこれはコロンブスの卵みたいなもので、ある程度予想できる話が先に待っていると、『そんな事、とっくに自分も考えたわ』と思ってしまうものなのですよね。
だって、事実を基にして話をしている訳ですから。
……これはビジネス書において、結構難しい問題の一つですよね。



 これは良い本だよ!

とも思いつつ、個人的にはとても良い本だなあ、と思いました。
ITテクノロジーの未来をただ予想しているだけのようにも読めますが、読み方次第では、この本で語られている内容を別の分野にも活かせるのではないか、と思うからです。

ざっくりと話せば、この本を読んでいくと、以下のような内容が語られていきます。

  • 人間は、今よりも便利に豊かになる、という視点――『必要性』から、新たなモノを生み出している。
  • 石器に始まり、人間の手足を拡張して来た『必要性』は、現代ではテクノロジーとなって、人間の脳を拡張するようになった。
  • その成長のスピードは今現在でもなお、どんどんと増している。
  • 便利に豊かになる『必要性』の終着点は、『自分自身のコピーを作る』という観点に集約されるだろう。
  • それを達成するために次のきっかけになるのが、人工知能であろう。

ざっくりすぎるわ! ……と思った読者の方、ほんとすいません。

人類の歴史に通じた、現代の時代背景を説いています。
この『テクノロジーの成長』というきっかけを語っているので、必然的に現代の最先端はAppleやAmazon、Google、Facebook……などになる訳ですね。
という訳で、これらの企業がこれでもかと言うほどに押しまくられます。そこで嫌悪感を感じてしまう人も多いのではないか。



 その先にある解答まで書いてある、ということ。

ただ是非ですね、この本を買ったからには、その先を読んで頂きたいのです。
これらの時代背景を語った上で、今自分が何をしなければならないか。それが、このように書いてあるんです。

  • これからの時代を生きるために必要なのは、この『必要性』→『進化』の流れを捉える事だ。
  • 何故そうなってきたのか、そのパターンを認識し、次の一手を先回りして考える必要がある。
  • 新たな時代の幕開けに付いて行くためには、付いて行くだけの『準備』と、始まりに付いて行くきっかけ――『切符』が無ければならない。
  • 今流行しているモノを追い掛けるのは簡単だが、すぐに時代遅れになる。だから、それに付いて行ってはいけない。
  • 『今まだ話題になっていないモノ』に、次の可能性がある。その目を養い、飛び乗る決断をしよう。


という事なんですが……これって、別にITじゃなくても、何にでも言える事ですよね。

『未来に先回りする思考法』というのは、何も数十年、数百年先の歴史を言い当てよう、という事では無かったのです。
『一手先を読む』ための勉強をしよう、っていう事なんですよね。
むしろ、早すぎる未来予測は失敗になると本書でも述べられています。

まあ特に投資の世界なんかでは、次に相場がどうなるかなんて誰にも分からないですが、おおよそこうなるだろう、のパターンに投資したりしますからね。
人間の欲望が如実に現れてくる相場でそうなのですから、当然人生でもそうなんでしょうね。

何より、必要なのは『歴史』を知り、変化のきっかけになる『手法』を実践して知る事なんですよ。
これは何事においてもそうで、以前の『Outlier』という本を読んだ時にも記事として書いたのですが、この感覚は本当に大事だなあと思うばかりです。





結構ビジネス書が好きでよく読むのですが、本書はタイトルに恥じない内容だなあ、と思わされました。
まだビジネス書を読んだことがないよ、という方は、この本をスタートにしてみても良いのではないでしょうか。






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