浮遊する無名作家の浅慮

【グループワーク】共同作業の限界。メイン・ブレインのおしごと。

【グループワーク】共同作業の限界。メイン・ブレインのおしごと。




もし、一つの事を数名でこなさなければならない状況に遭遇した時、大体は作業を分担しますよね。
「俺こっちやるから、お前はそっちな!」とする事によって、お互いの役割を決め、それぞれが仕事をこなす。
それはまあグループワークの基本でもあると思うのですが、うちの劇団では今回、そういう事をしていませんでした。
つまり、「全ての作業を全ての人間が協力して行う」という事をやっているのですが……

今回、この方法の問題点に気付きました。

そんな話をしていきたいと思います。



 事の始まりは、『ディスカッション』の優秀さに気付いてから

さて、当然劇団なんだから舞台作品、つまり演劇を創ろうとしている訳なのですが。
やっぱりスタートから全部を一緒にやろうとしていた訳では無くて、当初舞台を創ろう! と思い立った時は、こんな風に仕事を分けて行く予定でした。


  1. まず最初に、どんな作品を創るのか決めよう!
  2. プロットを決めて、脚本を書こう!
  3. その間、役者は練習をしよう!
  4. 脚本が完成したら、今度は役者とシーンを創ろう!
  5. その間に、大道具や音楽など、周りの要素を決めよう!
  6. 作品の完成に合わせてホームページなんかを作って、呼び込みも行っていこう!


まあ、普通に当たり前の事を話していたのですが。
その後、「どんな作品を創るのか決めよう!」のステップに入り、色々な討論が行われました。

作品を創る為には、きっかけとなる発想が必要です。

今回は演出家の提案で作品がスタートしているので、演出家をメイン・ブレインに、脚本を考えて行く事になりました。
しかし、途中である事に気付いてしまったのです。

毎週土曜日に役者の基礎練習がある。その後、作品について語り合う訳なのですが……。

一週間、外部で考えていた時よりも、土曜日に皆で相談している時の方が作品が先に進む。

という、現象に。



 皆が同じ方向を向いて考えていれば、速度はn倍。

さて、普通は作品をつくると決めた時、メイン・ブレインの人が考えた提案を他の人が操作する、なんていうことは出来ません。

それをやろうと思うと、メイン・ブレインの人が考えている『このように面白い』という提案を吸収して、『それならこうすればもっと面白い』を出して行かなければならない。
……ですが、中々これがメインの人と価値観が合わず、先に進めないんですね。

メインの人は大体、『俺の提案が最高』という謎のこだわりを持っていたりして、他の人の意見を聞きませんし。
サブの人はどこまで参加して良いのか分からないから、ロクに提案なんかできないもんです。

でも、このグループはたまたまそうではなかったんですよね。

面白けりゃ何でも良かったんです。面白いは正義か。

ということで、サブの人達が考えた『こういうのはどう?』という提案を、メインの人が自分の提案に合う形に勝手に組み替えて『おお、それはいいね!』と共感することで、お互いに理解&作品を次のステップへと進める事ができるようになっていました。

そうすると、全員にとって「あ、それは面白いね」という作品ができるようになる。

愛着も湧くってもんですよ。

なんかこの現象に全員気持ちよくなってしまい、「もうこの調子で脚本書けるんじゃね? 皆で話し合いながら書いてさあ」という流れになっていったのです。



 『作業をしている間』と『考えている間』の問題。

さて、口で考えて作品について話し合っている時は、この方法でも全く問題になりませんでした。
全員、まあぶっちゃけ話で言いたい放題に意見を言い合い、べらべら喋る中で『あ、それなら良いね』というのを見付けていく。


しかしですね、この方法で『脚本を書く』ってなると、話が変わってくるんです。
今回は『もうこのまま行っちゃえ!!』で、『脚本を書く』作業を更に分解して、言う人と書く人に分かれました。
まとまったひとつの題材について、メインの人が提案を出し、サブの人が……まあキーパンチが最も高速な私がタイプして、脚本を書いていた訳なんですが。

いやーもう、当たり前な事に初めて気付いたのですが。

これやると、メインの人の指示があるまで書けないんですよ。

自分で勝手に考えて書こうとすると、「いやちょっと待って、それは違う」となってしまい、手が止まってしまう。
メインの人は……? 考えている。台詞をめっさ考えている。
さすがに、頭の中にある台詞を共有して相談なんかできません。

そうするとですね、人間、頭を使っていないと不思議なもんでね。

眠くて仕方が無いんですよ。

もう作品の事なんて考えていられない。

よく考えてみれば、当たり前でしたね。作品の内容はずっとメインの人の頭にあるんだから、台詞を書くのはさすがにメインの人にしかできない仕事だったんです。
言われたらタイピングするだけの仕事なら、もうあんたやってよ!!

やっぱり、本を書く段階=喋る意外の仕事が発生する時は、話しながら進めて行くって難しいんですね。
言葉を考えている最中だけは、どうしても黙らざるを得ない。

見ざる。言わざる。聞かざる。

黙らざるを得ない。

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会議は会議。仕事がある時は役割分担をして、きっちり仕事に当たること。
全てを共同作業で進めて行こうとすると、仕事って出来ないもんなんですね。話す時は全員でOK。でも、仕事は完成してから。

完成品を見直して、もう一度皆で会議する。

それが最善なんでしょうなあ。




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