時代の変化というのは目覚ましいもので、コンピュータが普及するようになってからは、文章を書くというのはあまり億劫な作業ではなくなりましたね。
筆者もコンピュータを使わない時に文章を書く事はありませんでしたが、タイピングがそこそこ出来るようになってからは、コンピュータで文章を書くのが楽しくなりました。
小説を書くようになったのも、その辺りが転機だったなあー、と今でもしみじみ思います。
始めた当初こそ、分間100文字にも満たないタイピング速度は、その後十数年の時を経て、分間600まで跳ね上がりました。半角ですよ。世に居る化物タイピストなんかとは、全然比較になりません。
書いている時間は、1秒間におよそ10回のキーを叩いている事になります。自分でもびっくりだ。
…………しかし、それでも限界があるのです。
これさえ解決できれば、きっと文章を書くのがもっと楽になる筈なのですが。
それは、『1日に書ける文字数』という制約。
誰にでもある、最も解決しにくい問題。それが『出力』。
都合上、勿論文章を書く時には考えながら書いている訳で、上記の分間600なんていう出力は出ません。とすると、文章構成を考えて、実際にそれをタイピングして、それを読みながら修正を掛けていく。
そんな事をやっていると、どうしても1日に用意できる文章というのは、大体5000~15000字程度に留まります。
これが何でもないオムニバス的な文章(このブログなんかもそうですね)の時はもう少し書ける時もありますが、小説、それも長編となると、話が先に進む毎に執筆速度というものは落ちてきます。
過去に書いたプロットを見ながら考えて作るわけで、まあそれは当たり前なんですが……
この、5000~15000という自分の限界を、ここ数年の間は突破できていません。
それでも、世の中には沢山の文章書きが居るわけで、私なんかよりも遥かに高速度・高回転で文章を量産している方も沢山いらっしゃるわけです。
これをどうやって解決するか、という事を、少し考えてみました。
プロットの構成速度を上げる。
文章には何事も計画というものが存在するので、予めどんな文章を書くのかという事については、構成を考えて作ってから書いている訳です。例えばこれを、『起承転結』のようなテンプレートに当て嵌めて作ってみる。
以前、起承転結に縛られるな! という記事を書いた事がありますが、こんな時(速度を上げたい時)こそ、既存のテンプレートを使ってみるべきではないか。
当然、文章の鮮度が落ちてしまっては話になりませんので、そこには気を付ける必要があります。
きちんと芯の通ったテーマさえあれば、構成の部分はテンプレートでもそれなりにどうにかなる。
あ、小説の場合はやりませんよ。面白くなくなると思うので。
この辺りが小説とブログ記事その他の違うところで、小説は物語構成上の美しさが評価に関わりますが、レポートなどの文章では『分かり易さ』が追求されている、ということが、何よりも大事なことだと思っています。
そのため、既存の構成を当て嵌める事は、『分かり易い』を具体的に追求している、ひとつの解決策となるはずです。
さらにタイピング速度を上げる。
……これはあまり考えたくないのですが、タイピング速度というものはある程度終わりがないもので、e-typingなんかのサイトを見ていると、本当に化物のようなタイピストが沢山いらっしゃいます。e-typingを知らない方はこちら。フリーでタイピング検定ができますよ。
インターネットでタイピング練習 イータイピング | e-typing
(試験してみた所、筆者は"Comet"や"Professor"辺りに留まりました。前述の分間600字というのはC言語の単語で測定したもので、日本語文になるともう少し速度が落ちる事が分かります)
これを上げれば、書いている時間というものが更に減るのかもしれない。……それは分かっています。
でも、既に今の段階で15000字も書いていると、腱鞘炎になる日もそう遠くない……というか既に少しなりかけているので、ためらっているような段階です。
本当にタイピングの速い人達というのは、一体どうやっているのでしょうか。
お伺いしたい限りでございます。
結局、『量』か『質』か。
という事でここまで考えて来た訳なのですが、結局の所、文章を書いていくに当たり、『質』と『量』のどちらかを犠牲にしなければならないよなあ、と改めて思いました。『質』を優先させればクオリティは上がりますが、文章構成をある程度豪華にしなければならないので、完成までの道程は遠くなります。
『量』を優先させれば文字数は確かに多くなりますが、短い時間でより多くの言葉を書こうとしているので、分かり易い・面白いといった文章からは遠ざかります。
この二つの要素を両立して上げて行くためには、次のようなプロセスを踏む必要があるということです。
文章を考え、構成のテンプレートを作る
→テンプレートに従い、文章を作る
→作った文章から、テンプレートの出来を評価し、良い部分を伸ばして悪い部分を削っていく
→また構成のテンプレートを作る……
筆者はブログ記事を書く時などは、問題定義→評価・改善案→実行結果→まとめ、と四段階に分けて書くのが最も楽なのでそうしているのですが、これよりも良い方法を発見したら、積極的にそちらのテンプレートを突き詰めて行きたいと思っています。
まあ慣れてくると、色々なテンプレートを特に意識もせず書けるという日が来るんだろうなあ。
試行錯誤の結果、なんだか地道な努力という結果になってしまいましたが、案外これが最も正解に近いのかもしれません。
普通の人が成功できないのは、努力している時間が50時間を過ぎた辺りで諦めてしまうからだ、とも言われますからね。
筆者も、粘り強い努力で地道に文章の質を高めていければなあ、なんて思うばかりです。
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