年齢的にはまだまだ若輩者の筆者ですが、「チームを統率して何かをする」という事にかけては十代前半の頃から取り組んでおり、様々な人物と連携し、今もなお運営を続けています。
今こうして振り返ってみると実に多種多様な方が通り過ぎて行きましたが、ではそれだけ試して運営に成功したかと言うと、お世辞にも成功しているとは言い切れません。
ですが、その中で得たものもあります。
今は『どんな人と組めば良いのか』『自分はどんな人間になれば良いのか』という、組織を作る上で絶対に避けて通ることはできない大きな2つの課題に、ある種の解答を見出すことができるまでになりました。
考えてみたら、この2つは全く同じ事を言っている、という事に気付きました。
と、今回はそんなお話です。
団体の『年齢』と『段階』
もしあなたがこれから起業やチーム結成などで、何らかの営利・非営利団体を作ろうとしているのなら、まず知っておいて欲しいことが2つあります。
それは、人が成長するのと同じように、団体にも『年齢』と『段階』が存在する、ということです。
チームを結成するに当たり、メンバー個々の能力が優秀である方が、より質の良いコンテンツを世の中に公開できるという事は変わりませんが、メンバー同士の連携にも成長の過程があり、長く続ければ続けるほど効率が良くなっていきます。
そして、ある一定の段階になると、もう自分達の能力だけではコンテンツの質が上がらず、新たなメンバーを育成するか、優秀な人材を確保するのかという二択を迫られる事になります。
まず、この段階まで来ないと、無闇やたらとメンバーを増やしても効果は出にくいという事です。
そうして新たなメンバーを増やす訳ですが、その増えたメンバーと既存のメンバーの関係は、これまで長い時間を通して協力を続けていた関係とは異なるものである、という事を忘れてはいけません。
その新規メンバーが既存メンバーと同じようなレベルで協力・連携するためには、新規メンバーと既存メンバーの間で『相互に協力して仕事をする』という意識を持ち、コミュニケーションを続けなければなりません。
その部分については、いかに新規メンバーが優秀であろうと、避けて通る事はできない、という側面があります。
これが、団体の『年齢』と『段階』です。
この問題を無視してしまうと、連携の取れないちぐはぐなメンバーばかりが集まる事になり、メンバー間のストレスが溜まり、引いては提供すべきコンテンツの質を下げてしまいます。
そして、この問題の解決には時間を要する、という事を忘れてはなりません。
メンバー単体の『質』とは

次に、協力すべきメンバーの選定に掛かる訳ですが、この時にも意識しなければならない事があります。
そのうちのひとつは、「プライベートの関係はチームとして良い影響をもたらさない」という事です。
友人としての仲の良さと、チームワークにおける優位性というものは、驚く程、相関関係がありません。
仲が良いから協力して良いものができる、という事は無いです。勿論良いに越した事はありませんが、それを理由に『ベストメンバー』として掲げることは、チームを破滅に導く行為であるという事を肝に銘じましょう。
筆者もこの問題を大きく勘違いしており、何度も痛い目を見て来ました。
例えば、もし団体が経済的・内部的・技術的な問題で窮地に陥った時、友人はピンチを救ってくれません。
いや、むしろチームに参加していないただの友人である方が、内部事情を知らない分、協力してくれるかもしれない程です。
何故、そうなるのか。
メンバーの思考には、『こんな、窮地に立たされた団体には居たくない』という要素が働くからです。
団体のピンチはあなたのピンチではない、と捉えられます。言ってしまえば、個人を救う行為ではないのです。
自分の所属している会社が窮地に陥った時、社長と仲が良いからという理由で出資する人は少ないでしょう。それと同じ事が、非営利組織にも起こり得るということです。
勿論、協力してくれる人間も中には居るでしょう。ですが多くの場合、それは友人だからではありません。その人は団体を運営するという事について、本質を理解している人だからです。
団体を運営できる人を選ぶ

では、『質の高い人』とはどのような人の事を言うのか。それは、『積極的にリスクを背負おうとする人』の事です。
チームリーダー、或いは社長は、基本的に資金面でのリスクを背負います。それ以外にも、団体に参加する人のサポートも積極的に行い、より団体を良くすることだけを考えなければなりません。
1人で出来ないことをしようとするのが団体、組織なのですから、先ずはチームリーダーや社長と意識的に同じレベルでリスクを背負える人を探し、仲間に入れなければなりません。
これは、『仲が良い』『友人である』という要素とは、全く異なるものです。
しかし、仲間に入れるためには、選別しなければならない。
選別するためには、その人の技量を知らなければならない。
技量を知るためには、団体に入れてみなければならない。
こうして、矛盾が発生していく訳なのですが。
幸運にも、企画の話をしていく中で観察眼を働かせて、ある程度の能力を見ることができます。
どの部分を見れば良いのか。
それは、『共有性』『発展性』『実現性』の3つのポイントです。
共有:他人の企画に賛同し、狙いを理解することができる
まず、人の出した企画を正当に評価し、良いポイントを厳選できるかどうか。
極論を言ってしまえば、この段階がクリアできない人は、立ち上がっていない団体に参加することはできません。もし仮に自分がアイデアを出したとしても、自分1人では何もできない人間であることが多いです。
当然そんな状態では、企画者と同じレベルで物事を考えることなど不可能です。他人の意見を評論するだけの人間も、勿論全てではありませんが、ここに該当することが多いです。
重要なのは、悪い点を挙げることは非常に簡単で、しかも批判をすることで「自分は他者の企画を正当に評価している」と勘違いしてしまう事が多い、ということ。
正直な所、まだ第三者の評価どころか実体すらない企画段階の代物にケチを付けることなど、誰にでもできます。めちゃくちゃ簡単です。
指摘されたポイントが多いから、「この人はできる人だ」などと勘違いをしないことです。
本当にできる人は、その企画について狙いと目的を正しく理解し、企画者の上を行く提案を当然のようにしてきます。
正直、こっちの方が刺さります。
発展:ある企画について互いに話し、アイデアを出しあう事で企画を成長させる事ができる
上記のポイントがクリアできる人が見付かったら、次はディベートの質を問います。
ベタ褒めしているだけ、ということも往々にしてあります。気分を良くさせる言葉に惑わされず、企画が良い方に転がっていく会議がナチュラルにできる人を探しましょう。
ここで最も大切なのは、自分のアイデアが一番だと身勝手に思わず、有効なアイデアについて考え、無用なアイデアを気軽に捨てる意識が持てることです。
意外とこれが難しい。皆、自分の意見はかわいいですから、相反する意見に耳を傾けることができません。
一つの視点に凝り固まっていては、良い物を創る事など到底無理です。
これは、創作物・サービス・人間関係などの様々な面に影響を及ぼします。
アイデアマンは良いアイデア・悪いアイデアの厳選をせず、何でも会話に出します。
その言葉を拾って互いが考えることで、小さなアイデアは大きなヒントになり、有効な企画に進化して行くものだ、という過程を知っているからです。
出し惜しみする人は、一人が考えた種のアイデアには多くの場合、始めはあまり魅力が無いということを知らない人です。
気にせず話せる人を探しましょう。
実現:出した企画を実行可能な段階まで落とし込み、現実にできる
二つの内容をクリアできる人は、団体で動くという事にある程度協力できる人物です。
次に考えなければならない事は、「出した企画・アイデアが実行に移される」というポイントです。
出された要求を噛み砕いて実現可能な所まで落とし込み、実行に移すことができる人を探しましょう。
口先充分で手が動かない人はかなり多いです。行動に移すことができるのは、企画が実現されることに楽しみを感じられる人間です。
実際、多くの人がここで断念します。一見自分で創作活動などをしていていかにも作れそうな人が、人の企画になると途端に結果が出なくなる事もあります。
めげずに行きましょう。自分自身ができる限り、必ずそういった人はどこかに居るのですから。
この要素のポイントは、出した企画と実行した結果は、必ずしも『今』一致している必要はない、と知っている事です。
目標はあり、辿り着きたいポイントは明確です。しかし新しい企画の場合、そこに一度の挑戦で辿り着ける人は殆どいません。
企画はトライ&エラーなのですから、自分達の能力で実現可能なレベルが仮に低かったとしても、それはやがて大きな実になるのだと気付く事が大切です。
駄目な部分を洗い出して良い物に変えていく。そんな事ができる人を探しましょう。勿論、自分もですね。
チームを作る事ができて、それから考えるべきこと

団体・組織を作ろうと考えた時、初めに集まるメンバーは、これらの『共有』『発展』『実現』ができる人を、可能な限り選ぶことです。
最初の団体には、足りていないものが非常に多いです。せめてコンテンツを作る部分は全ての人間が協力できないと、協力できない人というものは必ずどこかで悪影響を及ぼします。
しかし、永遠に入れられないかというと、そうではありません。
これが、団体の『年齢』『段階』に大きく関わって来る事になります。
ある程度進んだ団体は、コンテンツを作る事ができ、それを世の中に発信し、継続的に成長する枠組みが完成しています。
その段階でなら、部分的に活躍できる人材を仲間に入れても、ある程度の仕事を期待する事ができるでしょう。
無理矢理、初期の段階でメンバーとして迎え入れ、活躍を期待したとしても…………相手だって辛いでしょうし、それは仕方がない事だと割り切りましょう。
それでも結局の所、最大の問題はいつも必ず『わたし』
さて、チームを作るときに必要な『人』を選ぶ方法について書いてきましたが……結局の所、チームを作る上で最大の障害は自分自身になると筆者は思っています。
何故なら、上に挙げたそれぞれのポイントを企画者である自分自身は、必ず達成していなければいけないからです。
そうしないと、そもそもチームが生まれませんから。
人を統率し、人に仕事をして貰う。組織でやっている以上、自分がチームリーダーである以上、いつかは最終的にはそうなるんです。
最大のリスクを背負うのは、いつも企画者です。
企画者・発案者である以上、自分自身が『共有』『発展』『実現』していける等というのは、最低限のスキルです。
だってそこから先には、限りない『コンテンツの質を高めていく』という壁が待っているのですから…………
ようやく技術的にも組織的にも信頼できる味方が集まって来た筆者ですが、まだまだ自分自身の質は浅く、スキルが足りていないなあ……と思う毎日です。
でも、これから組織的な活動をしてみたい! という人は、やっぱり応援したい!
差し出がましいとは思いつつ、このような記事を用意させて頂きました。
いつかどこかで、誰かの役に立てば良いな、と思うばかりです。
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