浮遊する無名作家の浅慮

もっと砕いた小説の書き方① テーマを決めよう!

もっと砕いた小説の書き方① テーマを決めよう!



明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、年明け一発目のコラムということで
昨年までは物語構造についての記事を中心に書き進めておりましたが、今回は小説に寄ったハウツー記事を書いて行ければ良いなと。

と思ったのも、過去の記事を読み返して、これは全然初心者向けじゃないだろ……と思ったからなんですが。
もっとシンプルに行きたいですよね。結局どうすればいいの、みたいな。
今回は、そんな手法に寄ったお話をさせて頂ければなと。

まだ小説を書いたことがない、これから書いてみたい! という方のためのハウツーになっていけばと思っております。
なので、知っている人にはあまり役に立たないかもしれません。
そのくらい、基礎的な部分について書いていくつもりです。

相変わらず、あくまで私的な研究の結果であり、これが万人に通用するものとは限りませんので
その辺りは、当たるも八卦、当たらぬも八卦くらいの気持ちで読んで頂ければ良いなーと思います。


 テーマを決めよう!

さて、小説を書こう! と思った時にまず考えておきたいのは、これから書く話のテーマを決めよう! という所です。
何が必要って、テーマが無ければ物語が締まらず、話ごとに顔色の違う話になってしまいます。

ゆるゆるとした日常を描くような、一話ごとにテーマの変わる話ならそれでもいいですが、そうでない場合に大筋のテーマが定まっていないと、読んでいる側にとっては『間延びするなぁ……』と思ってしまうものです。

……ところが。多くの場合、活躍するキャラクターは既に決まっていて、ただ肝心の話がうまくまとまっていない……もう空想上の彼等が動く為の、あんなシーンやこんなシーンは考えてあるのに……!
こんな状態で物語のテーマなんて言われても、『そりゃ俺、私が考えたキャラクターの活躍する感動の物語だよ!』となってしまい……具体的な方向性というのは、あまり見えないという状態になりがち。

少し考えた事のある人だと、登場人物だけでは小説は先に進んでくれない、何処かで行き詰まってしまう……という部分が見えているので、敢えてその状態で先に書くまでもあるまい、と思い、書くのを躊躇してしまいますよね。

おっけーです!

……ぶっちゃけ後回しで良いと思います、テーマなんて。
と言うのも、テーマを予め決めて書く方が、プロットを作る時には邪魔をしがちなんです。
なんでだろう?


 『テーマ決め』に四苦八苦。そして断念……

一応これには理由がありまして、『無理にテーマを後付で決めると、事前に思い付いていた小説プロットと競合して話がまとまらなくなりがち』だからなんです。
さて、ここで『おや?』と思った方は鋭い。今、一番初めにテーマの話をしていた筈でしたよね。どうしてテーマが後付になるんだろう……?

その理由は、今あなたが書きたいと思っているその小説、既にテーマが決まっているからなんです。
何故!? 一体どこに……!! そう思うのも無理はないかもしれません。
結論から言いますと、テーマの本質は一番初めに書きたいと思い立ったシーンで決まります。

どのシーンを物語のクライマックスに持って来るか。それによって決まるんです。無理矢理、言葉で後付する必要なんて無かったんです。
テーマを言葉に出来ないのは、まだそのシーンが具体化されていないから。
そう考えると、少しは楽に全貌が見えて来ないでしょうか。

もちろん、言葉で表現する事でプロットが引き締まり、内容がよく見えて来る小説にはなります。
その為にテーマを言葉で考える事も大切でしょうが、
そのテーマとはシーンから生み出されるものなので、何もない状態から言葉の羅列で考える事はしなくても良かったという。

友情? 努力? 勝利? はたまた親子愛? それとも解決不可能なトリック……でしょうか?
これらの言葉は決まっていたとしても、直接小説に作用しません。

ある少年Aがバスケに興味があって、必死で練習を始めます。ところが、少年Bに技量で追い付く事が出来ません……泣く泣く諦めかけていた少年Aに、少年Bは言いました。
「辞めるなら辞めろ。俺は親に頼み込まれたってバスケを辞めない」
そのとき、少年Aは少年Bの、強さの本質に気が付いたのでした。
彼は、これまでのバスケ人生で諦めた事がありませんでした。彼が見ているのは、少年Aがこれまでに見て来た選手たちではなく、その遥か先にある、『世界一』という野望だったからです……

と、ここまで考えて、ああこの物語は努力の物語なんだね、と分かるとか。
そんなもんなんです。
ここに無理をして『友情物語なんだから、友情要素を混ぜよう!』なんて、この段階で始めてしまうから、収拾がつかなくなってしまうんです。
弄るのは、プロットの頭から終わりまで、シンプルな内容が考えられた後でも決して遅くはないですよ。
始めはチープでもいいから、出来るだけシンプルに。肩の力を抜いていきましょう。

次回はシーンについて書いていこうかなあ、と思っています。


→ 次の記事
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