こんにちは。
ここまで、ウォーターフォールモデル、反復型開発モデルを見て来ました。
初めての構造に挑む場合と、既に作られた構造に挑む場合のおおよその違いが理解出来たのではないかと思います。
最後に、アジャイルソフトウェア開発についてですが……この開発手法については、未だ有効利用できていない、というのが正直な所です。
まあでも、だからと言って役に立たない訳ではない……『何かを作る』という事については、それなりにヒントが無くもないです。
そんな、アジャイルソフトウェア開発について見て行きましょう。
開発内容を多数の機能に分類する
例えば、ある一つの大きなソフトウェアがあったとして……これらを、まずは小さな機能としての『開発対象』に分解します。一つの機能は反復(イテレーション)を繰り返し、反復型開発モデルのような形で完成形を目指します。
この小さな機能を多量に開発することで、大きなソフトウェアの構造を目指すようです。
反復型開発モデルとの大きな違いは、ソフトウェアモデルの完成形をどのように捉えるか、という点にあるようです。
一ヶ月単位で開発・計画を繰り返す反復型開発は、そのソフトウェアがどういった完成形を目指すのかが、初めからはっきりと定まっています。
一方、アジャイルソフトウェア開発については、時代背景ごとにソフトウェアが随時変化を続けるようで、どちらかと言えばビジネスの価値として、ソフトウェアを見ているようなイメージなんだとか。
そのため、一つの開発におけるリリースも週単位と、かなり短い傾向にあります。
短期間でリリースを何度も行い、ソフトウェアを随時、時代背景に合わせた内容へと変化させていく。
これらの内容から、時代性を重視した開発手法だという事が判断できます。
物語構造への理解
さて、この開発手法について、私なりに小説や漫画などの構造に活かせるのかと検討してみた事もあったのですが……まず、一つの物語を小さな単位に分けて書き進めて行くのは、エッセイやショートギャグ等の小さなまとまりが作れる話に限ります。
ソフトウェアは操作性やニーズに合わせて随時開発していく事が考えられますが、ことストーリーにおいては受け手のニーズに合わせて次の話が変わるという事は、結構やりにくい。
何を見せるべきかはプロット構成の段階から決まっている場合が殆どで、きちんとしたニーズが作れないのは、そもそも構造に問題がある場合が多いです。
そのため、ちゃんと目的通りに作る事が出来ている場合は、書いている最中に直しを入れる事が出来ないんですよね。
以上のことから、アジャイルソフトウェア開発はシナリオの作り方として取り入れる事は出来ませんでした。
『ソフトウェア開発』と『ストーリーを作る』ことの類似性について
さて、以上三種の開発手法について見て来た訳なんですが。これらの内容を勉強して総合的に分かった事は、「ある創作物を作ろう!」と奮起した時に、その作り方には考え方として、二通りあるんだという事でした。
それは、計画的に作る方法と、適応的に作る方法です。
ウォーターフォールモデルのように、計画先行型で創作物を作る場合には、作っている最中の出戻りが少なく、形も綺麗だというメリットがあります。
どの程度の工数が掛かるのかが明確なため、スケジュールも組み易いですね。
ところが予定外に弱く、失敗した時にはゼロからやり直しを迫られる場合もあり、横から突かれると脆いです。
反復型開発モデル・アジャイルソフトウェア開発モデルのように、計画を先送りにする事で随時環境に適応していく場合には、失敗した部分を失敗した部分だけやり直すという事が可能で、全体の計画にも殆ど影響はありません(計画自体がざっくりしているので)。
ところが計画が甘い事も多く、工数に変化が出やすい、簡単なモノしか作れない、完成形が美しくない等の問題が付いて回ります。
重要なのは、これら二つの開発手法について、「良いとこ取りが出来ない」という部分です。
なので、何かの創作物を作る場合には、自分がどのような作り方をしているのかを正しく把握し、認識を合わせていく事が最重要なポイントになる、という事ですね。
『SE技術から物語構造を考える』まとめ
今回見て来たSEの開発技術ですが、明日の創作に活かす事が出来る情報とまでは言い難いかもしれません。ですが、知っているという事がとても大きなポイントになると思ったので、記事にしてみました。
計画的手法から、適応的手法まで。これらの知識は、本当は創作物全般に活かす事ができます。
計画的に作っている筈なのに、無闇に構造を変えようとして出戻りが効かなくなり、倒れてしまったり……
適応的に作っている筈なのに、予定よりも多く時間が掛かってしまったことで、挫けてしまったり……
どちらも、自分がどうやって創作物を作っているのかを認識していれば防げたはずが、作り方を知らなかったが為に転んでしまい、結果として作品が完成しなくなる。
そうすると、達成できなかった→次の計画も倒れてしまうかも→作る事が出来ない……
と、負のループに陥ってしまう事も考えられます。
誰しも、中々集中力というものは、最後まで続きません。
その集中力を完成まで持続させる為に、後どれだけ走ればゴールが見えて来るのかを見積もる=集中力の持続として利用できる、というスキルを身に付けられたら良いな、と思いつつ。
今回は、この辺りで終わりとさせて頂きたいと思います。
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