浮遊する無名作家の浅慮

SE技術から物語構造を考える② 様々なシステム開発モデル

SE技術から物語構造を考える② 様々なシステム開発モデル



こんにちは。

今回も、SEの開発モデルから物語構造への転用について触れていきます。
さて、スピード開発のプロであるソフトウェア開発エンジニアは、大きく分けて3つの開発モデルを持っています。
それぞれの持つ特徴について、触れていきましょう。

 ウォーターフォールモデル

川のようなイメージで、下流に向かって流れていく開発手法として、ウォーターフォールと名付けられました。

あるひとつのソフトウェアを『要件定義→基本設計→詳細設計→構築→単体テスト→結合テスト→総合テスト→リリース』と決め、じっくりと時間をかけて仕様設計を決め、一度決めた仕様設計を原則として変更する事はしません。

開発に掛かる時間が最も長いのが特徴で、綿密な計画の下に裏打ちされるシステムの為にバグが少なく、また美しいソースになる反面、規模が大きくなると定めて置かなければならない要素が多過ぎて、所謂『企画倒れ』になる事が最も多い開発手法になります。

物語構造の作成においては、ひとつの大きな物語を作る為に考えておかなければならない要素を洗い出すに当たりとても相応しく、作品創作の基礎固めをするに当たり最適な手法であると言えるでしょう。


 反復型開発モデル

ウォーターフォールモデルが長い時間を掛けてじっくりと作戦を練る手法であるのに対し、反復型開発モデルは実装する機能を『ユーザが求めている、必要な機能』と定め、他の部分は後回しにしてリリースする事を目指します。

開発工程はウォーターフォール・モデルと同じですが、実装に当たって『既存のプログラムは変更されること』を前提に考えられているため、ひとつひとつの機能を分割して考え、変えられる事が出来るように設計されていきます。

物事の解決手段として用いられる『PDCAサイクル』に似た考え方があるかもしれません。一度完成したソフトウェアは分析と評価を繰り返し、機能の追加・より洗練されたシステムの完成を目指します。

物語構造との関わりとしては、ある程度の構造が完成した段階から書き始められる為にストレスが少なく、また長期に渡って作品を作る事の出来る手法と言えるでしょう。

 アジャイル開発モデル

ウォーターフォールモデルとは遠く、反復型開発モデルよりもよりリアルタイムに開発を行っていく、最も設計工程の分散された手法です。

開発対象を多数の小さな機能に分類し、ひとつの機能を反復して作成し、完成させます。反復型開発と違うのは、反復型開発がひとつの機能についてのリリースを月単位で行う事に対し、アジャイル開発モデルは週単位でのリリースを目指します。

『適法的開発手法』とも呼ばれ、小さな機能をリリースしながら先を作って行くため、ユーザの声をリアルタイムに聞くことができ、またその反響に伴い、未来の形を変える(追加機能の変更)事ができます。

計画重視の開発よりも圧倒的に造りが雑で、『とにかく動けばいい』という事を前提に考える為に傷が多く、美しさからは離れていきます。しかし、ユーザの要望を的確に反映させる事が出来るという目的は、計画重視の開発には出来ない柔軟さがあると言えます。


さて、上から順番に計画型~適応型となっていくのですが、この情報だけではどうやって物語を作って行くのか、あまりピンと来ない方が多いのではないかなと思います。

以上の事を踏まえて、次回から順番に制作工程を見て行きたいと思います。

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