こんにちは。
さて、唐突ではありますが、システムエンジニアやコンピュータプログラマが何かのソフトウェアを開発しようとした時に、利用する構築サイクルについて、皆さんはご存知でしょうか。
複数のエンジニア・プログラマがソフトウェアを開発する際に、うまく目的の物を完成させるために考えられた仕様設計技術ではありますが、これが物語構造を考える時に非常に役に立っています。
今回からはシステムエンジニア・プログラマの技術と物語構造の構築技術についての類似点に触れていきます。
そもそも、どうして開発モデル等というモノが存在したのか?
『ソフトウェア開発工程』や『ソフトウェア開発モデル』と呼ばれるのは、どのようなソフトウェア・ツールを開発する際にも、ある一定のルールと秩序に従って開発をすることで、生産性と品質を向上させよう、という目的の下に考えられた『ひとつの手法』です。一見すると手に負えないような膨大な量の作業工程をどうにかして見積もり、期限と費用を算出。また、限られた資源・時間の中で完成させる事を目標としていました。
どこかで似たような事を考えたこと、ありませんか?
そう、芸術作品を作る時にも、全く同じ事が言えるんです。
どの程度の長さを持った作品を作るかにもよりますが、ひとつの作品を完成させるということは、途方もない苦労を要します。そこに考えられる作業時間(人件費とも言う)、作業工程が明確になっていないからこそ、書いている途中で挫折してしまったりもするのですね。
今までに書いてきた『物語構造の分解・構築』手法もまた、未来を見据える為に必要な技術のひとつでした。
例に出してみましょう。
あなたは、50万字程の(文庫本3~4冊程度)作品を書こうと思い、筆を取りました。
執筆から2ヶ月程経過した今、書かれた文字は10万字。ところが、書き出した当初は1日あたり1万字程度書けていたものが、話が進むに連れて1日あたり2千字程度しか書けなくなってしまいました。
先を見据えずに書き始めてしまったが為に、物語が展開されていくに連れて考える事が多くなってしまったのです(ちゃんと考えていても、どうしてもそうなる傾向はありますが)。
今10万字。目標到達ラインである50万字まで、あと40万字も文章を書かなければいけません。既に書き始めてから2ヶ月が経過しているのに……?
こうして、書くことを諦めてしまいます。
ところが、もしも開発工程がはっきりしていたとして、今書いているその部分が最も時間が掛かる、重要な部分だったとしましょう。
本来ならば1日あたり1万字書けるあなたは、50万字書くために必要な時間を3ヶ月程度だと見積もっていました。
今一番重要な部分で、ここさえ乗り切れば残り40万字は40日で書ける事が分かっている。当初の3ヶ月という目標には届かないけれど、1ヶ月程度の遅れで作品を完成させる事ができそうだ。
挫折しそうですか? 書けそうですか?
人によるかと思いますが、全く右も左も分からない状態よりは、完成に近付いている気がしますね。
さて、これを達成し得る手法が『ソフトウェア開発モデル』といったものです。
次回からは、より具体的な内容について触れていきましょう。
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