前回までの記事で、少しだけ物語を作るためのヒントが現れてきました。
ある一つのシーンが作られる為には、その手前で経験されていなければならない事がある場合が多い、という段階で止まっていますね。
もう一度、おさらいしてみましょう。
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○告白のシーン
・A君が、Bさんに告白をする。
・でも、BさんはA君の告白に答えられません。
・その反応を分かっているA君も、答えられる事はないということを理解していました。
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過去に起きていなければならないことを洗い出してみる
このシーンに対して思い付いた内容として、少なくとも経験されていなければならない内容は以下となります。・主人公とヒロインが出会っていること
・主人公はヒロインを好きになっていること
・主人公とヒロインの仲が友達以上恋人未満までに成長していること
・主人公がヒロインの病気について理解していること
試しに、これらの内容を一つのシーンとして、各項目のテーマとして掲げてみる事にします。
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○主人公とヒロインが出会う
○主人公がヒロインを好きになる
○主人公とヒロインの仲が友達以上恋人未満までに成長する
○主人公がヒロインの病気について理解する
○告白のシーン
・A君が、Bさんに告白をする。
・でも、BさんはA君の告白に答えられません。
・その反応を分かっているA君も、答えられる事はないということを理解していました。
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おや、と気付いた方は鋭い! 座布団一枚!
今回は漠然と考えた内容ではなく、少なくともシーンの目的は提示されていそうです。
何となく思い描いたシーンではないために、幾つかの疑問が登場しそうですね。
例として、主人公がヒロインの病気について理解する、というシーンについて考えてみましょう。
1.一体どのような出来事があって、ヒロインの病気を理解する事になるのだろう?
2.主人公は何を考えて、どうして出来事に関わるのだろう?
3.それに対してヒロインからは、どのような感情が生まれてくるのだろう?
これらの疑問は、ある一つのシーンを構成する為の重要な足掛かりとなります。
一番始めに思い付いたシーンには含まれていた、以下の内容について追求していきましょう。
1.『状況』
2.『目的』と『行動』
3.『結果』
今の『状況』、登場人物の考える『目的』と『行動』、それに伴う『結果』
ここがとても重要な所なので、もう一度説明しますね。漠然と思い付いた『二人でデート』では、対となる『目的』と『行動』が何だったのか、疑問に思う事すら出来ませんでした。
ところが、『主人公がヒロインの病気について理解する』シーンを用意してみると、不思議とこれらの疑問が浮かび上がってきます。それは何故でしょうか?
ヤマとして掲げた物語のテーマと、今回のシーンとの間に、『物語構造の前後関係』が存在するからです。
前後関係の存在しない、漠然と考えた二つのシーンは繋がりません。
どちらかのシーンを基準に過去や未来を追うことで、初めてシーン間に連続性が生まれ、解決の取っ掛かりを得る事が出来るのです。
何はともあれ、考えてみてください。
自分が考える解答が見付かったら、次の記事に移ってみましょう。
次回はシーン毎の前後関係について、より詳しくお話をしたいと思います。
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物語構造の分解③ シーンが成立するために必要な経験のこと
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物語構造の分解⑤ シーンの前後関係ができるまで
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